インターメディアテクを、なおいっそう振起せん(後編) ― 2014年10月15日 06時57分25秒
インターメディアテク(IMT)のミュージアム・ショップに、ぜひ並んでいてほしい品。
それは「IMTのステレオ写真セット」です。
それは「IMTのステレオ写真セット」です。
(十文字美信、『ポケットに仏像』シリーズ、小学館)
以前、3D本ブームがありましたが、あれのIMT版を出したらどうか、いわば、『ポケットにIMT』というわけです。
スマホでせせこましくバーチャル展示を眺めるぐらいなら、ステレオ写真の不思議なリアリティに浸る方が、IMTの場合、余程気が利いている気がします。もちろん製本すると高くつくので、バラの写真カードで構いません。
★
…というのは、パリの自然史博物館のステレオ写真を見ていて思い付いたことです。
(いちばん下のはパリではなく、オックスフォードの自然史博物館)
19世紀のステレオ写真ブームの頃は、自然史博物館に限らず、ルーブル美術館あたりでも大量のステレオ写真が作られて、人々に歓迎されました。現在でも、自館のオリジナル・ステレオ写真を制作販売しているミュージアムは少なくないようなので、これは別に事新しい提案ではありません。
とはいえ、IMTは展示空間も奥行があるし、造形的に面白いモノが多いので、3D化のしがいがあるんじゃないでしょうか。しかも、ミュージアム・ショップがあの体たらく(失礼)ですから、ここはあえて愚説をのべてみました。
コメント
_ S.U ― 2014年10月15日 19時30分33秒
_ 玉青 ― 2014年10月16日 22時21分17秒
なるほど、S.Uさんのお住まいからだと、いきおいそうなりますね。
まあ、百聞は一見に如かず、丸の内口からは徒歩1分ですので、乗り継ぎの合間に是非一度お立ち寄りください。
「ポケットに仏像」シリーズは、表紙が簡易ビューアを兼ねていて、なかなかうまい具合にできていますよ(その実際は、「ポケットに仏像」で画像検索していただくと、お分かりいただけるかと)。
それにしても、ステレオ写真というのは不思議だなあ…と、つくづく思います。あれだけ簡単な仕組みで、リアルな視覚体験ができるというのは驚きです。しかも、そのリアルさは現実の光景とも明らかに違っていて、本文中で書いたように、「不思議なリアリティ」としか表現のしようがありません。その辺が、陳腐化しそうで、今も根強い人気を誇る秘密なのでしょう。まあ、さすがに古風な感じはしますが、その古風さが、インターメディアテクにはいっそ相応しく感じられます。
まあ、百聞は一見に如かず、丸の内口からは徒歩1分ですので、乗り継ぎの合間に是非一度お立ち寄りください。
「ポケットに仏像」シリーズは、表紙が簡易ビューアを兼ねていて、なかなかうまい具合にできていますよ(その実際は、「ポケットに仏像」で画像検索していただくと、お分かりいただけるかと)。
それにしても、ステレオ写真というのは不思議だなあ…と、つくづく思います。あれだけ簡単な仕組みで、リアルな視覚体験ができるというのは驚きです。しかも、そのリアルさは現実の光景とも明らかに違っていて、本文中で書いたように、「不思議なリアリティ」としか表現のしようがありません。その辺が、陳腐化しそうで、今も根強い人気を誇る秘密なのでしょう。まあ、さすがに古風な感じはしますが、その古風さが、インターメディアテクにはいっそ相応しく感じられます。
_ S.U ― 2014年10月17日 06時50分59秒
古風なビューア付きステレオ写真は「不思議なリアリティ」のゆえに陳腐化せず、最新技術でリアリティを追求すると短期間で陳腐化しかねない・・・と、そういう構造のようですね。カラクリ機械とか芸術作品は、ひとつのモデルでありゲームであるから面白いので、あまり現実に近づけることを目標にしてはいけない、ということなんでしょうね。ジレンマのようですが、多くのことがそういうものかもしれません。
以前に、パズルだったか心理テストだったかの本で、フリーハンドで描いた線画の上から見た円錐形(丸描いてチョンで離心円を描くだけ)2つのステレオ写真(ステレオ線画) でもじゅうぶん立体視できるとあったのを実施してみて、いたく感心したことがあります。
以前に、パズルだったか心理テストだったかの本で、フリーハンドで描いた線画の上から見た円錐形(丸描いてチョンで離心円を描くだけ)2つのステレオ写真(ステレオ線画) でもじゅうぶん立体視できるとあったのを実施してみて、いたく感心したことがあります。
_ 玉青 ― 2014年10月17日 22時05分07秒
思うに、人の眼―というか脳―は、驚くほど簡単に騙されてしまうものですね。
そこには必ずしも高度な技術は必要なくて、ちょっとしたコツさえあればいい。
そして、騙される方にも、一種の「騙される快感」がある。
…というのが、このゲームの面白いところであり、ときに厄介なところなのでしょう。
(現今の政治にも、その趣がありはしないでしょうか。)
そこには必ずしも高度な技術は必要なくて、ちょっとしたコツさえあればいい。
そして、騙される方にも、一種の「騙される快感」がある。
…というのが、このゲームの面白いところであり、ときに厄介なところなのでしょう。
(現今の政治にも、その趣がありはしないでしょうか。)
_ S.U ― 2014年10月18日 07時08分06秒
>現今の政治にも、その趣がありはしないでしょうか。
よく「自分の目で見たんだから間違いはない、百聞は一見にしかずだ」と主張する人がいますが、自分の目ほどあてにならないものはないですよね。多くの人が、錯視を楽しんだり、ゲーム的な心理テストをして、そのことを感じてほしいものです。そしたら、国民全体が騙される危険性も多少は減るのではないでしょうか。
よく「自分の目で見たんだから間違いはない、百聞は一見にしかずだ」と主張する人がいますが、自分の目ほどあてにならないものはないですよね。多くの人が、錯視を楽しんだり、ゲーム的な心理テストをして、そのことを感じてほしいものです。そしたら、国民全体が騙される危険性も多少は減るのではないでしょうか。
_ 玉青 ― 2014年10月18日 17時46分42秒
何事も、人間は騙されやすいものだ、という前提でかからないと危ないですね。
手練手管に長けた人にとっては、「俺は絶対にだまされんぞ」と力む人ほど、手玉に取りやすかったりしますもんね。
手練手管に長けた人にとっては、「俺は絶対にだまされんぞ」と力む人ほど、手玉に取りやすかったりしますもんね。
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それはいいとして、ご紹介の 『ポケットに仏像』シリーズ は、どういうふうにして立体視するのでしょうか。やはり左右に写真が並んでいて、目玉の向きを調節するのでしょうか。それとも何らかの専用メガネを使うのでしょうか。
一般に、新技術の3Dモノは出たときは驚くのですが、多くの場合、何年かすると陳腐化するという問題があるように思います。かつて、透明のアクリルの内部にレーザー光で3Dの線画を刻むというのがありました。作ってもらおうかと思っていましたが高いので躊躇しているうちに陳腐化してしまい、最近はあまり見かけなくなりました。
目の鍛錬のためのCGの3D画シリーズも一時はブームになりましたが、最近は下火ではないでしょうか。3Dモノへの投資はそのへんが要注意ではないかと思います(もちろん、技術的、芸術的には次々と新種の製作品を出して驚かせていただきたいですが)。