火焔の砂2014年10月27日 21時56分02秒

御嶽山噴火から1か月。
あらためて亡魂のやすらかならんことを。

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古い女学校の理科室に置かれていた、浅間山の噴出砂。
ラベルには「昭和4年〔1929〕8月採集」とあって、今から85年前に、同校の先生が採取して持ち帰ったもののようです。

長野県の西、岐阜県との境にあるのが御嶽山。
そして、長野県の東、群馬県との境にあるのが浅間山。

(荒涼とした記憶)

信州の美しい風景を作ったのは、今も続く熱い造山活動であり、それはいっぽうで火の山を生みました。そして、火の山は温泉を生み、ご神体として敬われ、ときに猛威を振るって人命を奪い、さらに現代では科学的研究の対象となっています。

人と火山の付き合いは長いです。
でも、それは人の側から見ての話で、火山の側からすると、意識にも上らないぐらい、ごく瞬間的な出来事なのかもしれません。何にせよ人間の尺度では測りがたい相手です。

(背景は白尾元理(写真)、『グラフィック 日本列島の20億年』(岩波書店、2001))