月に漕ぎだす ― 2021年02月05日 21時14分19秒
月夜の幻灯スライド。
静かな夜の湖。数隻のボートが入江を離れ、ひと連なりに漕ぎだしたところです。
湖面には月光がきらきらと反射し、その光をかき分けるように進むボートの櫂の音、水しぶきの音。「幻灯」の名の通り、幻のように美しい、そしてまた謎めいた情景です。
澄んだ月夜の光景が、見る者の裡に広がり、こちらの心も森閑と澄んできます。
(手書きの文字は「Boating on Lower Lake」)
このスライドは、長方形をしたアメリカン・サイズなので、北米のどこかの景色だと思います。でも、Lower Lakeと名の付く湖はあちこちにあるので、どこを撮った写真かは分かりません。でも、それでいいのです。これはどこにでもあり、どこにもない、「心の中の湖」として眺めるのが良いように思います。
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【閑語】
美しいボートから目を転じて、我らが乗り合わせた阿呆船。
こちらもなかなか人材が豊富で、順調に迷走を続けています。
船頭多くして、船、山に登る――。
いったい目的の地、「阿呆国ナラゴニア」にたどり着くのはいつなのか。それともとっくにナラゴニアの奥深くまで達し、さらにエッチラオッチラ山を登っているところなのか。
こちらも幻のように奇なる光景ではあるのですが、もちろん心が澄むことはありません。
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