天文古玩

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天文を中心に、「理科趣味」の雅致を、モノにこだわって嘆賞するサイトです。賢治、足穂、フープ博士へのオマージュ。リリカルな郷愁の天文趣味の世界へ... (since '06.1.23)

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ヴンダーカンマー作り入門 ― 2016年01月07日 06時20分16秒

前々回の述懐(=生の自然と触れ合い、書斎にもその息吹を通わせたい)と、話がつながるのかどうかよく分かりませんが、人工物と自然物への好奇心が交錯する「ヴンダーカンマー」の在り方を考えることは、この話題を考えるきっかけにはなりそうです。
それについて、最近面白い記事を目にしたので、ここで参照しておきます。

   ★

シカゴ在住の「Lady Salt」こと、スタイリストが本業のバーバラ・リンさんが、ご自分のブログ「Carnivale Salt」に、「気になる 『珍品キャビネット』:  自分だけのヴンダーカンマー作り入門」という記事を書かれています(3年ちょっと前の記事です)。


■Curious about Curiosity Cabinets: How to start your own Wunderkammer.
 http://carnivalesalt.blogspot.jp/2012/10/curious-about-curiosity-cabinets-how-to.html

この記事はいろいろな点で興味深いのですが、私の所感を書き付ける前に、一通りいつもの適当訳で内容を一瞥しておきます(勝手訳ですが、ぜひバーバラさんのお目こぼしを頂けますように…)。なお、文章の切れ目の目じるしに、縮小した元画像を貼っておきますが、キャプションは省略しました。

------------------(引用ここから)------------------

蒐集行為は、多様な形態をとりうる趣味ですが、自慢の珍品を「珍品キャビネット(Curiosity Cabinets)」という形で示すことは、コレクションの展示法として、またご自分の興味と美学をビジュアルに伝える方法として、究極のものです。珍品キャビネット、あるいはドイツ語の原語で言えば「ヴンダーカンマー」は、豊かな歴史を持ち、個人のコレクションを展示する方法として、何世紀にもわたって人気を博してきました。
 


ステップ1: キャビネットを手に入れる

珍品コレクション一般に、それが100パーセント必要というわけではありませんが、ご自分の珍品キャビネットに素敵な趣を添え、事実上その印象を決定づけるものといえば、言うまでもなくキャビネットです。適当な展示ケースを見つけることは、それ自体宝探しのようなものですが、お金をかける気さえあれば、可能な選択肢はたくさんあります。家具の品揃えが豊富なディスカウントショップに行けば、たいてい目的にかなうカップボードや食器棚が見つかるでしょう。もちろんebayにはいつでも(しばしばかなり高価ですが)アンティークの薬品棚が売りに出ています。

もし予算が限られているなら、本棚を利用するのも手です。やり方はいくらでもあります。でも、展示法はコレクションそのものと同じぐらい重要であることを、常に忘れずにいてください。ですから、ご自分の心にピンと来るものをしっかり選ぶようにしましょう。あると便利なのは光源です。絶対に必要というわけではありませんが、コレクションにスポットライトが当たったら素敵でしょう。


ステップ2: コレクションを始める

伝統的に、珍品キャビネットは、自然物と人工物の組み合わせから構成されていました。蒐集家は、ウミウチワや貝殻を、ギリシャ彫刻の石膏模型の横に並べたり、時には、神話上の動物が実在することを「証明」するために作られた、明らかな偽物(たとえば「エデンの園の蛇の皮のかけら」など)と並べたりすることもありました。これらのコレクションは、一応教育的なものと考えられていましたが、その真の目的は、見る者をギョッとさせ、世界に対する興味を掻き立てることにありました。

理性の時代の幕開けと共に、コレクションの配列法は科学的方法論に基づいたものが主となり、研究のための分類体系に分化し始めました。最終的にヴンダーカンマーは、近代的な自然史博物館や美術館へと進化を遂げ、芸術品や人工物は自然物の標本から分離され、いかさま物や神話的な品は一切お払い箱となったのです。
 

現代の珍品キャビネットは、多くの点で、北方ルネサンス期のオリジナルのヴンダーカンマーを想起させます。今日見られる個人コレクションの多くは、整然とした科学的研究を目指すのではなく、個人の美意識と興味関心を表現し、好奇心と驚異の念をそそる品を展示するためのものです。現代のコレクションは、伝統的ないかなる規範にもしばられることがありません。不思議なカラクリ仕掛け、芸術作品、人形、散歩のときに見つけた物たち、都会のごみ、キャットフードの残り…何もかもが自由です。
 

蒐集にまつわるこうした考え方は、とてもエキサイティングなものですが、コレクションを始めることを、ひるませもするでしょう。ワードローブを充実させるのと同様、もしご自分の思想と美学を明確に伝えたいなら、コレクションにもはっきりとしたテーマを与えるべきです。コレクションのテーマを絞ったり、蒐集対象を少数の特定分野の品に限定することは良いアイデアです。

ひとたびコレクションの基礎が固まれば、そこからコレクション作りが始まります。思い浮かぶテーマとしては、博物学(昆虫コレクション、鳥の剥製、動物の骨格標本など)、医学用品、葬儀にまつわる品、あるいは宗教的工芸品などがあります。これらの品に、何か個人的意義が備わっていることが理想ですが、単にカッコいいと思えるだけの品…という場合もあるでしょう。
 

珍品キャビネットは、ご自宅のインテリアの中心となるものですから、もし同居のパートナーやご家族がいる場合、蒐集プランについて彼らとよく話し合うことです。私と彼氏の場合、ふたりとも珍品コレクション作りに積極的でしたが、事前に次の合意を取り交わしていました。一つは人間の遺骸や壜詰め標本、死に関するエフェメラは集めないこと。これは彼の希望にもとづくものです。もう一つは黒魔術や悪魔召喚に関する物は集めないこと。これは私の希望にもとづくものです。私たちは、博物関連の手工品、医療器具、それに宗教的な品々に範囲を限定することで、意見が一致しました。
 

もし予算が限られているなら、あるいはコレクションの方向性を決めかねているなら、お気に入りの小物たちでヴンダーカンマーを構成するというのも、全然ありです。好奇心の対象は、高価なものや、希少なものである必要はありません。あなたにとって特別なものであれば、美しいものでなくたって良いのです。おそらく、珍品キャビネットが持つ最も重要な機能は、ご自分にとって情緒的価値がある品を保管し、その価値を高めることにあります。そうした品々を、抽斗の中にしまいっぱなしにするのではなく、いつでも見える所に置き、絶えず思いを新たにするとともに、対象への誇りを感じることこそ、その役割なのです。
 
 
ステップ3: 珍品蒐集のためのあれこれ

さあ、あなたのコレクションが、本格的な珍品キャビネットへと変身する準備は整いました。以下に掲げるのは、皆さんが必要とされる物や、欲しいと思われる物を入手できる場所と、アイデアを得たり、調べ事の参考にしたり、同好の士を得るのに役立つリンク集です。今のところアメリカ国内の情報しかありませんが、もし他にご存知でしたら、ぜひお気軽にコメントをお寄せください。リストに加えたいと思います。では良い蒐集を!!

〔以下、ヴンダー系のお店や博物館にリンクが張られていますが、省略します。〕

------------------(引用ここまで)------------------

ここには、私がずっとモヤモヤしていたことが明快に書かれていました。
それは…

(この項つづく)

by 玉青 [驚異の部屋] [すてきなページ(リンク)] [コメント(0)|トラックバック(0)]

理系アンティークの世界に遊ぶ…カテゴリー縦覧「便利情報」編 ― 2015年08月22日 18時33分26秒

「便利情報」というのは思いつきで作ったカテゴリーで、作ってはみたものの、その後まったく記事が追加されず、半ば死に体となっていました。

まあ、今では便利な情報は世間にあふれているので、特に屋上屋を架すまでもなく、むしろ便利なことはそんなに良いことだろうか…と、世を拗ねたようなことを言う方が大事な気がしなくもありません。

とはいえ、それでは寂しいので、ちょっと情報めいたことを載せます。

   ★

ご存知の方はとうにご存知でしょうが、Fleaglass という会社(および、その運営する同名のサイト)があります。

(http://www.fleaglass.com/)

イギリスに本拠を置く会社で、各国の理系アンティーク・ディーラーを束ねて、その商品を横断的に検索するサービスを提供しています。古書業界では、同様のサービスがずいぶん早くから存在しますが、要はあれの理系アンティーク版です。

ただし、在庫をすべて検索してくれるわけではなくて、今のところ検索対象は、各店舗がフリーグラス向けにアップしたものだけです。それでも、この世界では有名なショップが結構参加しているので、理系アンティークの最近の相場を知るには、至極便利なサイトです。そして、もちろん財布が許せば、全て購入できるのですから、理系アンティーク好きは大いに食指が動くのではないでしょうか。

いささか不便なのは、カート機能や決済機能がないことです。気になる商品を見つけたら、まず商品詳細ページからフォームで業者に質問し、その後は各業者との直接取引になる仕組みで、そのやりとりが面倒といえば面倒ですし、いろいろリスクもあるのですが、その分、値段については交渉の余地があります。

私は別にフリーグラスの回し者ではないんですが、こういう趣味の世界が存在することは広く知っていただきたい気がします。

理系アンティークの世界は常に開かれており、その買い手を待っています。
美しく興味深い品々を、ぜひお手元に―。

by 玉青 [すてきなページ(リンク)] [便利情報] [コメント(0)|トラックバック(0)]

物憂げな町にて…カテゴリー縦覧「すてきなページ」編 ― 2015年08月21日 21時57分07秒

カテゴリーの順番でいうと「その他」の番ですが、さすがにそれは最後に回して、先に「すてきなページ」を取り上げます。

   ★

このカテゴリーは、もともとお気に入りのサイトにリンクを張るために設けたのですが、どうもそういう活用の仕方はされずに、もっぱら他人のふんどしで相撲を取るために使われてきたきらいがあります。

そして、そうこうしているうちに、いつの間にか世の中の様子も変って、当のお気に入りのページそのものが消えたり、更新が止まったりしているのに気づき、何となく遠い目になっている自分がいます。

そこに連想するものは、ずばり「シャッター銀座」です。

   ★

フェイスブックはよく知りませんが、ときどきツイッターを覗いて思うのは、「ここはいつも賑やかに人が行き交い、威勢のいい声が飛び交っている、縁日や学祭のような空間だなあ」ということです。

いっぽう個人のブログは、人気のないシャッター銀座の一角に、あるいは雑踏とは無縁の路地の奥に、ひっそり開いている個人商店みたいなものです。

この「天文古玩」にしても、ここまで足を踏み入れる方はまれですし、立ち寄ったついでに声をかけてくださるのは、近所の古馴染さんぐらいで、常に閑散としています(昨日は珍しく初めての方と言葉を交わすことができ、嬉しかったです)。

まあ、店頭には日に焼けて古びた商品がほんの少し並んでいるだけで、年老いた店主は店番もせず、奥の部屋でゴロンとラジオを聞いてるんですから、それも道理です。活気なんぞ薬にしたくてもない、眠たげな時間と空間がここにはあります。

   ★

店主は目をショボショボさせて、ときどき思い出したようにショーケースにハタキをかけながら、「昔は客足もそれなりにあったのになあ…」と、独語する日もなくはないですが、もはや世に打って出る気概もありませんし、「天文古玩的なるもの」を世に広める役目を多少は果たせた気がするので、もう十分かな…と、しみじみ思います。

   ★

物事にはすべて終わりがあり、また引き際というのがあるものです。
近い将来、ひっそりと閉店の張り紙が出ているのをご覧になったら、「ああ、やっぱり」と思いやってくださいませ。

by 玉青 [すてきなページ(リンク)] [コメント(6)|トラックバック(0)]

Coincidence 「符合、暗合」 ― 2015年07月22日 21時07分17秒

また雨脚が強くなってきました。ひどく蒸す晩です。
こういう時こそ、涼しげな天文古玩的品々を登場させるべきですが、ちょっと夏バテ気味で、あまり頭が働きません。今日はひとのふんどしで相撲を取ります。

   ★

世の中には自分に似た人が7人いるそうですね。
それは主に外見のことでしょうが、内面についても、時にずいぶん似た人がいて、びっくりします。と言って、そんなに驚くほど特殊な趣味嗜好でもないので、大げさに驚く必要はないのかもしれませんが、それにしても…と思うことがあります。

   ★

最近驚いたのは、理研の倉谷滋氏による博物エッセイです。

■書庫渉猟 (理化学研究所・形態進化研究グループのサイト内コーナーです)
 http://www.cdb.riken.jp/emo/clmj.html

すでに2005年からスタートされており、これまでも、いろいろな検索の過程でヒットした、1、2編のエッセイを個別に拝読した記憶があります。しかしそこから親ページに至り、全エッセイ一覧を目にしたのは、つい先日のことでした。

倉谷氏は専門の生物学研究者であり、そのご専門に関わるエッセイですから、その中身の濃さは言うまでもないことですが、僭越ながら氏の関心の置き所や、面白がり方に常ならぬ共感を覚えました。

例えば、下のページを目にしたときの私の驚き。

■「虫を売る店」と神戸の蛾
 http://www.cdb.riken.jp/emo/clm/clmj/1002j.html

神戸の六甲昆虫館を訪れ、「銀の蛾」を手にし、足穂的なるものを連想する。
そして、その思いを筆にし、写真を添える。
…こういう一連の出来事が、相互独立に生じる確率は、やはり相当低いのではありますまいか。

ちなみに拙文は以下。(ここでささやかなオリジナリティを主張すると、これは倉谷氏に先立つこと1年3か月前の記事です。)

■アンティコ・ナトゥラーレ…神戸、魅惑の昆蟲舗(1)
 http://mononoke.asablo.jp/blog/2008/11/16/3939029

倉谷氏は元昆虫少年であり、図鑑が好きで、博物画が好きで、そのオリジナルと複製の関係に思いを馳せ、時に昭和を懐古し、古書を蒐め、コガネムシを語ればポーの『黄金虫』が登場する…といった塩梅で、天文の話題は今のところ書かれていないようですが、なるほど世間には似た人がいるものだと、密かにうなずきました。

  金色の甲虫
  銀色の蛾
  自分と似た人

雨の音を聞きながら、銅色の液体を口に運べば、いろいろな思いが去来します。
まこと人生端倪すべからず。

by 玉青 [すてきなページ(リンク)] [コメント(0)|トラックバック(0)]

「NAVER まとめ」じゃないけれど…パリ博物散歩の友 ― 2015年02月07日 08時32分23秒

人の褌で相撲を取る―。
褒められたことではありませんが、美しい褌には、つい手が伸びる折もあり。
そしてまた、それを着けて人に見せびらかしたい折もあり。

   ★

話は1週間前にさかのぼります。

以前も話題にした「博物蒐集家の応接間」(会期も残すところ今日明日の2日のみになりました)のオープニング・レセプションで、私は実に嬉しい出会いを果たしました。6年前にネット上で言葉を交わして以来、一方的に畏友と決め込んでいたTizitさんとの出会いです。6年前の初々しいやりとりも懐かしく、ここでリンクしておくのも満更悪くはないでしょう。

■交感する博物系ブロガー
 http://mononoke.asablo.jp/blog/2009/07/12/4427716

   ★

上の記事は、アメリカ東海岸でのエピソードが下敷きになっていました。
このように博物趣味の濃い旅を重ねてらっしゃるTizitさんですが、その最新の記事は、パリの博物スポットの紹介。個々に取り上げられることはあっても、こういうふうに手際よくまとめていただくと、パリ博物散歩を予定している方には大助かりでしょう。

■Imaginary Beings:博物のパリ
 http://imaginarybeings.com/wordpress/?p=1939

「花の都パリ」はまた「博物の都パリ」でもあることが、よく分かります。
そして、これらはNAVERのような情報の切り貼りではなく、Tizitさんが自ら足を運ばれた場所ばかりだ…というのがすごいところです。

ここで、なぜパリかといえば、やっぱり件のレセプションの際に、antique Salonの市さんをはじめ、近々パリに行かれる方と博物談義があったことに端を発しているとおぼしく、この記事はぜひそういう方々にお読みいただきたい。…というわけで、私が褌を締めてみました。

Tizitさんの記事は、すべてのスポットについて、オリジナル・サイトへのリンクを張っているので、そちらもお見逃しなく。

   ★

私自身にとってのパリは、ほぼディスプレイの向こうにのみ存在する幻の街で、生身のパリに触れる予定は今のところありません。

でも、もし仮に行くとしたら、Tizitさんお勧めのスポットを順次踏破して、最後に「カタコンブ」で生の無常を観じたいと思います。そして、すぐ近くのパリ天文台を眺めて、しばし星の世界に思いをはせ、万感のため息をつくことでしょう。

皆さんの土産話もぜひお聞かせください。

by 玉青 [博物学] [博物館] [ヴンダーショップ・イベント] [すてきなページ(リンク)] [コメント(2)|トラックバック(0)]

歯車は音楽だ ― 2014年11月26日 06時32分35秒

かつて魅惑のコメタリウム( http://mononoke.asablo.jp/blog/2014/04/27/)を製作された Sii Taa(シーター)さんが、素敵な動画をYouTubeにアップされているのに、遅ればせながら気づきました(YouTube上でのお名前は別)。

精巧な歯車の姿はそれ自体美しく、時にアクセサリーの素材にも使われます。そして、歯車がひとたび回転を始めれば、そこに生命が宿り、動的なハーモニーが生まれます。
皆さんも、不思議な形をした歯車のダンス「Nautilus Gears」と、歯車群の華麗なオーケストレーション「Mechanical Man」をぜひご鑑賞ください。






それにしても、素晴らしい。。。

by 玉青 [物理・化学・工学] [すてきなページ(リンク)] [コメント(7)|トラックバック(0)]

光学の力 ― 2014年07月21日 17時46分27秒

本日2投目

   ★

最近、いろいろ立て込んでいるせいか、すぐ他人の褌を借りてしまいますが、これは借りる価値あり。


■Power of Optics│au ひかり

我が家はお祖父さんの代から電電公社で、今もdocomoですから、auに一切義理はないんですが、この動画はいいと思いました。
YouTubeの広告をスキップしないで最後まで見たのは、ひょっとして初めてかもしれません。そしてこれは広告なので、すぐ削除されてしまうかもしれず、見られるうちに一度ぜひご覧ください。

まあ、趣向はピタゴラスイッチそのものですが、何といっても映像が美しい。

かすかな疑問は、この映像がすべてホンモノなのか、CGを使っているかですが、それも含めてイリュージョナルな感興が沸いてきます。

by 玉青 [物理・化学・工学] [すてきなページ(リンク)] [コメント(3)|トラックバック(0)]

「思いつき」で行こう ― 2014年06月28日 10時10分57秒

キワモノとは何か。
私の場合、「ちょっと怪しげで、ウロンな感じのするもの」というニュアンスで会話や文章の中で使ってきましたが、どうやらそれは間違いで、広辞苑によれば以下のような意味の語だそうです。

きわ-もの【際物】キハ・・
①入用の季節のまぎわに売り出す品物。その時を失すれば無用・無価値となる。正月の門松や3月のひな人形などの類。
②一時的な流行をあてこんで売り出す品物。
③当時の世上の事件・流行に取材、時好に投じようとした脚本・小説・映画など。

なるほど、「流行に便乗した品」というのが原義なんですね。

   ★

流行に全然便乗してないし、そもそも流行でもなんでもないですが、以下は私の中で真っ先に「キワモノっぽい」という形容が浮かんだ本の紹介記事。

■思いつきくふうと工作:ミクロ・マクロ・時々風景
  http://mmlnp.exblog.jp/22288583/
 
リンク先の「ミクロ・マクロ・時々風景」さんは、渋い話題の多い理科趣味サイトで、私のようにエセではなく、理科趣味の保守本流を行く、いわば「理系理科趣味」のブログです。

で、今回紹介されているのは『思いつきくふうと工作』という、タイトルからしてキワモノっぽい本で、内容がまた輪をかけて…なのですが、そのキワモノ感は言葉で説明が難しいので、ブログ主であるZAM20F2さんの評語とともに味わっていただければと思います。

「思いつき」という言葉は、「それは良い思いつきだ」と褒め言葉になる場合もありますが、「それは単なる思いつきに過ぎない」と貶し言葉になる場合もあって、本書の場合は後者の要素が濃厚です。無軌道で、行き当たりばったりな感じに満ちた良書として、皆様にもお勧めする次第です。(皮をむくとバナナが切れている手品の謎も同時に判明。)

by 玉青 [理科系古書(天文以外)] [すてきなページ(リンク)] [コメント(0)|トラックバック(0)]

少年技師 ― 2013年08月15日 21時13分54秒

連載物の途中ですが、「う、これは…!」と、思わず唸った記事のご紹介。

■ミクロ・マクロ・時々風景
 http://mmlnp.exblog.jp/m2013-08-01/

常々敬服している理系ブログ「ミクロ・マクロ・時々風景」。
管理人であるZAM20F2さんは、この8月に入ってから、戦前、「子供の科学」誌で一世を風靡した誠文堂から出た「少年技師ハンドブックシリーズ」と、同社の後身・誠文堂新光社が戦後まもなく出した「少年技師のハンドブックシリーズ」を集中的に取り上げておられます(両シリーズの違いは、「の」の字の有無)。

通読して面白く、また多くのことを考えさせられますが、最新の記事、「望遠鏡と顕微鏡の作り方:少年技師のハンドブック」(http://mmlnp.exblog.jp/20623455/)もまた、多くの方とともに考えたい内容です。

極東の島国には少年技師がいかにも少ない…という、原著者の問題提起も考えさせられますが、「少年技師」とは年齢の老少ではなく、その精神の在り様によって、そう呼ばれるのだ!という主張が、こんなにも早くからなされていたのに、意外の感を持ちました。そしてまた、少なからず力づけられました。

他人の褌で恐縮ですが、21世紀の少年技師たちへの捧げものとして…

by 玉青 [望遠鏡] [理科少年] [顕微鏡] [物理・化学・工学] [すてきなページ(リンク)] [コメント(10)|トラックバック(0)]

モノにこだわる理科趣味ブログ ― 2013年07月13日 22時42分29秒

…というと、この天文古玩のことかと思われるかもしれませんが、世の中には似た嗜好の方が少なからずいて、他にもそういうサイトは当然存在します。そうしたページを訪問することは、とても楽しく、かつ刺激的な経験です。

最近、更新を楽しみにしているのが、「生まれてこの方一度も断捨離なんて考えたこともありません」と力強く言い切る、zabienaさんのブログ。

■時計草の庭通信 http://zabiena.exblog.jp/


その中心的なテーマは鉱物とお見受けしますが、それ以外にも博物系のモノがあれこれ登場し、失礼な申し条ながら、何だか拝見していて他人のページのような気がしません。そして、zabienaさんの収集歴は、昨日今日に始まったものではなく、子ども時代から延々と続いていると伺うと、実に頼もしい気がします。

   ★

さらに、記事の中には子育て中のご苦労も垣間見られ、同じような立場の方にとっては、これまた非常に心強く感じられるのではないでしょうか。

こういう理科趣味、ないしヴンダー趣味というのは、なんとなく日常生活と遊離した営みという予断が世間にはあると思います。しかし、zabienaさんにしても、またかく言う私にしても、この世に根を張って生きている生活者であることに変わりはありません。

日常に背を向け、それと完全に切れた場所に、自分だけの王国を作ることは、ある意味簡単なことです(変人や病者のレッテルさえ厭わなければ)。ただ、少なくとも私は、ときに日常の俗悪さに辟易しつつも、そこに生の真(まこと)があるのも確かであり、むしろ日常の中に進んで分け入りつつ、そこに「美」や「驚」を見出すことが、すなわちヴンダー趣味の王道ではないかと、このごろ強く感じています(この辺は以前書いたことと微妙に違います)。

何だか話が脱線して、不必要に熱く語っているようですが、ともあれ、今勢いのある博物系ブログとして、「時計草の庭通信」を同好の方々に広くお勧めする次第です。

by 玉青 [すてきなページ(リンク)] [コメント(2)|トラックバック(0)]

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