フォントネル『世界の複数性についての対話』(1)2009年03月03日 22時47分01秒

(↑邦訳の表紙にも使われた口絵。こちらがオリジナル)

ウズラたちの大虐殺のいっぽうで、日常は粛々と過ぎていきます。

昨日は、注文した本の決済がなかなかうまくいかず、夜中まで先方と何度もメールでやりとりして、すっかり消耗しました。今日になってやっと解決し、胸をなでおろしたところです。

この本は、実に5年前から探求書リストに挙げていたもので、先日ようやく古書検索サイトから連絡が入ったのでした。何となく今では「欲しい度」もちょっと下がり気味なんですが、ここで買わないと、たぶん一生縁がないだろうと思い、思い切って大枚をはたきました。しょうもない話で恐縮ですが、この辺のことは、本が届いてからまた書くつもりです。

  ★

さて、フォントネルの本について書いている途中でした。
邦訳の解説を読むと、この本は当時の大変なベストセラーだったことが分かります。
作者の生前(~1757)だけで33回も版を重ね、各国語版も、英語、イタリア語、ドイツ語、オランダ語、ギリシア語、ロシア語、スペイン語が出ており、英語版にも6種類の翻訳があるとか。

この本がそれほどまでに歓迎されたのは、内容もさることながら、まず設定が良かったのでしょう。
この本は純粋に二人の人物の対話だけから成り立っています。一人は男盛りの哲学者、もう一人は若くて聡明な(そしてもちろん美しい)G侯爵夫人。この二人が、夜毎、田園に建つ館の庭で宇宙について語り合うという、かなり危うい設定で、言ってみれば露骨に性愛的な色彩を帯びているのですが、これこそが大向こうに受けた最大の要因ではあるまいか…と私は邪推しています。

男女がロマンチックな雰囲気の中、宇宙について対話するという形式の天文啓蒙書は、この後、19世紀にいたるまで何度も出たように思います。(今うろ覚えで書いているので、例がパパッと出てこないのですが、たとえばBenjamin Martin の The Young Gentleman and Lady’s Philosophy(1772)など。)

(この項つづく)

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