「星を売る店」のドアを開ける(補遺)…星の灯り2015年07月09日 20時35分40秒

足穂の「星を売る店」について、そこに登場するモノに注目しながら、一通りストーリーをなぞりました。

本当は、ここで一連のモノをずらりと並べて、存分に「星店」ごっこを楽しみたいところですが、いったんしまった物を、再び引っ張り出すのは大変なので、それは今後のお楽しみにとっておくことにして、ここでは、仮にモノたちが見場よくガラス棚に並んだとして、それをさらにどう見せるか、その「見せ方」の工夫を考えてみます。

そのポイントの1つにライティングがあります。
当然、夜の街に浮かび上がる「星店」のショーウィンドウを彷彿とさせるべく、ショーウィンドウに見立てたガラス棚を明るく照らすスポットライトは不可欠です。そして、棚に並んだ「星」をキラキラ光らせるサブの照明も、ぜひほしいところです。

さらに、ガラス棚の隣には汽車や風車のおもちゃを並べるので、そこにも明かりが必要です。原文には「花ガスの下の陳列箱の上に、おもちゃのレールに載った機関車と風車が置いてある」とあって、足穂のイメージに従えば、おもちゃ類の上にガス灯式の装飾照明が吊るされていたようです。


実際の花ガスがどんなものかは、ちょっと曖昧ですが、その華やかな語感にしたがって、天井から星型のランプをぶら下げてはどうかと考えました。

これはモロッコで作っている現代の工芸品だそうで、買ったのはやっぱりエジプトの業者からですが、エジプト商人というのは、あの辺ではなかなか手広くやっているようですね。さかんに「星」を商っているのもむべなるかな、です。


ガスならぬ電気を灯せば、「星」に嵌め込まれたカラフルなジュエルが光り出し(といっても樹脂製の模造ジュエルですが)、


周囲にキラキラとした光を投げかけます。
本家「星店」に掲げられた星捕りのポスターには、「ルビーやエメラルドやトパーズやダイヤモンドをぶちまいた画面の夜空」が描かれていたそうですが、そんな風情もちょっと感じられます。

コメント

_ 蛍以下 ― 2015年07月10日 14時55分23秒

ライティングは難しそうですが、色々考えてみるのも楽しいですね。
せっかくのガラス棚ですから、透明な「星」は下から照らし、クシャクシャに丸めてシワをつけたアルミホイルに青いセロハン紙を重ねたものを天板の下面に貼り付けてレフ板とすれば、仄青い光が再現できるのではないか・・・などと想像しましたが、実験したわけじゃないので自信はありません。
いつか「星店」の姿が見られることを願っています。

_ 玉青 ― 2015年07月11日 14時28分13秒

あ、なかなか良さげな工夫ですね。
もちろん画像だけならば、どんな色調も加工自在でしょうが、リアルな展示を考えると、照明ひとつとっても、細かい工夫を凝らす余地がいろいろありますね。

せっかく棚まで買ったのに、実際にディスプレイしないのは、我ながら情けないですが、何せスペースが狭小なので、生活するためには頻繁に物を出したりしまったりせねばならず、思い通りに事が運ばないのがつらいところです。

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