美しきデロール…2007年03月25日 21時09分18秒

↑1900年ころのデロール店内
(出典:今森光彦著『好奇心の部屋デロール』、福音館書店)

現実のデロールにはいい思い出がありませんが、心の中の、イメージとしてのデロールは美しいままとっておこうと思います。

19世紀の香気を伝えるパリの博物商。
店内には動物界・植物界・鉱物界にまたがる、あらゆる種類の標本・剥製が所狭しと置かれ、ガラスケースはきらめき、無数の抽斗は宝物を蔵して並び、壁には美しい博物画が彩りを添える…。
何とも美しいイメージではありませんか。

“デロールは遠くにありて思ふもの。”

恨み節っぽい感じが無きにしもあらずですが、デロールの形見の品を少しずつ掲載していこうと思います。

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ちなみに上の写真。

右側の棚には顕微鏡がぎっしり並び、天井からは人骨がぶら下がり、手前の部屋には各種の物理実験器具、奥の部屋には三脚に載った望遠鏡や、生物学標本が見えます。剥製がメインの現在の店内とはだいぶ様子が違います。

昔の方が、より理科室趣味に富んだ空間であったことが分かります。