理科趣味セクト考… 「理科教室の午后」 展によせて2008年06月15日 18時31分41秒

このサイトを訪問されている方の一部は、すでにご承知かと思われる展示会。

■理科教室の午后- ナツヤスミ篇 -
 2008年7月19日(土)~7月27日(日)
 会場:東京・西荻窪 Gallery MADO
 (詳細は http://kujaku.info/rika/

「本展は理科的事物を愛好する、制作分野の異なる六組七作家による
空想理科教室的作品展示会です。〔…〕理科教室で過ごす短い夏期休
暇をお楽しみいただければ幸いに存じます」
と、リンク先に概要が記されています。

理科教室で過ごす夏期休暇…ああ、憧れを誘う惹き句ですね。

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さて、同展の出品作家さんは、その筋では有名な方たちと思いますが、こうした「創作系」の理科室趣味と、拙ブログにおけるそれ―「ヴンダーカンマー系」理科室趣味とでも言いましょうか―との距離について、ちょっと考えてみようと思います。(相変わらず暇)

いろいろ思いつくんですが、まずは扱われる素材。
創作系の場合は、主役を演じるのは「鉱石、金属、ガラス」で、基本的に硬質で透明ですね。
ヴンダーカンマー系(以下ヴ系)だと、博物趣味が前面に出て、生物の比重がぐっと高まります。おどろでグンニャリしたものも拒みません。

次いでリアル理科室との関係。
創作系は、古びた理科室に目を向けつつも、その歴史性には拘束されず、(時に換骨奪胎しながら)自由にイメージを構成するので、自由度がはなはだ高いです。みずみずしく軽やかです。
ヴ系は、よりリアルな、歴史的存在としての理科室に惹かれるというか、むしろその歴史性そのものを珍重する傾向があります。渋好みで、老人向きです。

そして、創作系とヴ系とがゆるく連合して、理科室の風情を愛でる抒情派(文系理科室派)を構成し、質実剛健な、純粋に実験好きの理科ホビースト(理系理科室派)と対峙している…というのが、昨今の理科趣味の構図ではありますまいか。

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書いているうちに、何だかピント外れなことを書いているような気がしてきました。
もう少し考えてみます。