リチャード・プロクター著 『恒星アトラス』(1)2010年11月29日 18時59分33秒

買ったものを漫然と積み上げて、さらに新しいものを買うという愚かしい行為はやめて、縁あって出会った物と、もっとじっくり向き合おうじゃないか…そんなことを、これまで何度か書いた気がします。でも、なかなか実現しませんでした。しかし、ようやくそれが叶うときが来たようです。

実は、なんやかんやの出費の目算が甘くて、当分(たぶん向こう半年ぐらい)は、隠忍自重する必要があることに今日気が付きました。南無三!

…まあしょうがないですね。自業自得、身から出たナントカ、こういう状態を形容する慣用句やことわざに事欠かないところを見ると、きっと古人も繰り返し痛い目を見たのでしょう。私もその仲間入りです。

さて、そんなわけで当分は堅実な記事を志そうと思います。部屋の隅、棚の奥、本棚の端っこで眠っていたモノたちに、今こそ光を当てることにしましょう。

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↓は、本棚の一番端っこに立っていた星図。

金文字がなかなか立派ですね。高さ37センチの大判の本です。

■Proctor, Richard Anthony
 A Star Atlas for Students and Observers. (4th ed.)
 Longmans & Green , London, 1877
 見開き星図12葉+インデックスマップ1葉

この本には恐るべき「秘密」があって、私の心を暗くしているのですが、それは後回しにして、まず外形的なところを述べておきます。

著者のリチャード・プロクター(1837-1888)は、19世紀のイギリスが誇る天文学の偉大な啓発家。同時代のロバート・ボール(1840-1913)や、フランスのカミーユ・フラマリオン(1842-1925)のいわば好敵手。

この星図帳は1870年に初版が出て、以後1914年の新訂第7版まで版を重ねました。さらに、この星図の縮刷版である『A New Star Atlas 新恒星アトラス』(初版1872年)の方は23版(1915)まで出て、両者を合わせると、その発行部数は驚くほど多かったはず。その人気は、19世紀の後半から、イギリスで趣味としての天体観測が急速に普及する過程と重なります。



中身はこんな感じで、20世紀の標準的な星図とほとんど変わりません。星座絵のないシンプルな表現で、新時代の観測マニアの机辺にふさわしい体裁です。星座の境界が曖昧な曲線になっている点が、古風といえば古風。とはいえ、別に本自体に奇異なところは何もなさそうですが、その恐るべき「秘密」とは…

(この項つづく)
※こんな調子でノンビリ書いていけば、たぶん半年ぐらい持ちこたえられるでしょう。