月光を身に浴びて2018年03月31日 08時38分16秒

一昨日の晩のことです。

空には満月にちょっと足りない真珠色の月。
頭上からは風に吹かれて紛々と舞い散る花びら。

それだけでも春の情緒満点なのに、その宵空を、さらにあるものが飛んでいるのを見た時の心持ちといったら! 
…紺闇の中を飛んでいたもの、それは一羽の「こうもり」でした。

春、桜、月、そして蝙蝠。
こう並べると、そこに或る深い情趣が感じられないでしょうか。

ぼんやり灯がともった御宮の脇を歩きながら、「現実界から幻想界へと通じる門が開くのは、こういうときかもしれないなあ…」と感じました。


翌朝、明るく晴れた公園を歩きながら、木々の若芽が、もはや若葉と言っていいぐらいに開いているのに気付いたとき、ふたたび驚きを感じました。
自然が演じる手妻の何と鮮やかなことか。

にわかには信じがたいですが、もうじき新緑の季節がやってくるのですね。

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  桜日記 三月尽と 書き納む   子規