人体模型の面相学(6)2011年08月28日 07時29分26秒

子どものころ、「人の嫌がることはするな」と教えられました。
そのバチが当たったのかもしれません。

ネットの件はサポートセンターでも解決せず、結局本体を修理に出すことにしました。そのため、昔々のPCを押入れから出して、今こうやって作業していますが、いつまで動いてくれるか心配です。もし、突然ブログの更新が途絶えたら、老体の冥福を祈って
やってください。(修理には1ヶ月近くかかるそうです。)

天罰に懲りずに、話題を身近な人体模型に戻して、しつこく記事を続けることにします。

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樹脂性人体模型が普及する以前の、個性豊かな人体模型の面々を順不同で眺めてみます。



これはなかなかの名品。あどけない少年の風貌から、その内面までもうかがえる作品で、作者のすぐれた力量が感じられます。何でも鑑定団(存続するんでしょうか?)の人形鑑定大会に出したいですね。この品は京都科学ではなくて、山越製作所というところで作られました。

上のような堂々たる作品を前にするとき、下の作品はなんと言えばいいのか…。なんだか子供が夏休みに作ったもののようにも見えます。人体模型といっても、本当にひとくくりにはできないなあ…と思います。
 
  

こんな奴、クラスにいたなあ…。(顔立ちが、です。別に内臓と筋肉をさらしていたわけではありません。)


こわかわいい。
 
上と同じヒトをパカッとしたところ。さすがに怖いです。
 
 

こちらは眉目秀麗な美男と美女。目の表現に特徴があります。

 
尼さん?妙にしなを作っているのが変です。
 

これも女子タイプですが、ちょっと表情に影のある女人です。人生の辛酸に耐えている感じです。もうちょっと顔の造作が左右対称だと良かった。

小学校の人体模型は「裸+赤身」がスタンダードですが、中には「赤身+骨」タイプもあります。下のヒトは赤身なんだけれど、物思わしげな憂いの表情があって、人間的魅力を感じます。


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こういう個性的な顔ぶれに交じって、だんだんニュートラルで、無難な顔立ちの人体模型が勢力を伸ばしてきたのではあるまいか…ということを、この連載の初めに書きました。そうした作品例を以下に挙げます。

これは美男タイプに分類できるかも。

ニュートラルですが、ライティングがこわい。。

えらの張っているところに民族的特徴が出ています(この品は樹脂製かもしれません)。

もちろん、厳密にいえば、今日掲げた作品個々の時間的先後は不明なので、「時間経過とともに無個性化が進行した」という説は、あくまでも推測にすぎません。でも、大づかみにはそういう経過をたどったんじゃないかなあと考えています。

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どうでしょう、「理科室の王者」・人体模型の豊かな世界の一端をお楽しみいただけたでしょうか。では、夏休みも終わるので、そろそろ通常の「天文古玩」の世界に回帰することにします。

(この項、今日で完結です。)