賢治缶 (未完成な第1夜) ― 2013年06月18日 22時44分55秒
つい暑い暑いと言ってしまいますが、現に暑いんだからしょうがありません。
この鬱陶しい天気を忘れるような工夫は、何かないだろうか?
…そんな処暑の工夫として、最近の試みをちょっと書いてみます。
この鬱陶しい天気を忘れるような工夫は、何かないだろうか?
…そんな処暑の工夫として、最近の試みをちょっと書いてみます。
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最近、小気味よい<賢治モノ>を揃えることができないか?という課題を考えています。賢治モノというのは、宮沢賢治の世界をギュッと凝縮したモノのことで、イメージするのは、以前試みた「タルホの匣(はこ)」のようなものです。
あの時は、単葉機の切手とか、ゴールデンバットの空き箱とか、土星のシガレットカードとか、三日月のタイピンとか、稲垣足穂を感じさせるコマゴマした品を揃えて、「タルホの匣」と洒落てみたのでした。
で、最近、その賢治版が作れないか?というのを考えたのですが、やってみると、これが実に難しい。たとえば、『銀河鉄道の夜』は、賢治作品の中でも、具体的なモノの出現率が高いほうで、だからこそ「ジョバンニが見た世界」という連載も可能だったのですが、それでも相当苦労しながらモノ探しを続けました。
さらに「賢治そのものを象徴するモノ」となると、具体的なモノを挙げるのは、いっそう難しく感じます。もちろん賢治の作品にも形あるモノはたくさん登場します。でも、それは山であったり、空であったり、野原であったり、建物であったり、樹木であったり、動物たちであったり…要するに、そこにタルホ的な意味での「オブジェ」はあまり出てきません。基本的に賢治はオブジェを愛する人ではなかったのでしょう。
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当初の構想では、自動車の形をしたお菓子缶に、賢治モノを詰め込んでみようと思ったのですが、計画は現在ちょっと頓挫しています。
用意したのは、銀河にちなむ、ミルキーウェイ・チョコの特製缶(噂によれば1999年に出たバージョン)。全長約17センチで、本体とボンネンット部が缶になっています。
足穂モノは、妙にスノッブ感がありますが、賢治モノは、全体にどこか玩具めいた感じがありそうな気がしたので、こういう可愛いものを用意してみたわけです。
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というわけで、賢治缶の企画は失敗しましたが、せめてひと品でもふた品でも、ここに何か積んでみようという、その試みのあとを、ちょっと振り返ってみます。
(この項、たぶん間欠的につづく)
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