星の玩具のこと2018年05月27日 18時29分49秒

何度も書いていますが、私はコレクター気質に欠けるので、何かを意識して蒐集するということはしていません。

でも、これはひょっとしたら蒐集と呼んでいいんじゃないか…と思える対象もいくつかあります。例えば、天文台の絵葉書もそうですし、最近話題の、星をモチーフにした古い玩具もそうです。

この「玩具」や「おもちゃ」というのは、英語の「Toy」よりも広い言い方で、Toy も Game も Puzzle も全部ひっくるめた、「もてあそびの具」、「消閑の具」という意味です。(あと「教育の具」というのもありますね。教育玩具というやつです。)

(これまでに登場した星の玩具の例)

ここで、「星をモチーフにした」というのが、ちょっと弱い言い方に感じられますが、これは真っ当な天文学に関連する品以外にも、占星ゲームとか、単なるデザインとして星を用いているだけの品も、収集対象に含めているからです。

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ただ、そこまで手を広げても、古い星の玩具というのは存外少ないです。

収集という観点から言うと、収集対象が最初から限定的なほうが、精神衛生的にも、経済的にも助かるので、それはそれで良いのですが、「なぜ少ないか」を考えると、これは昔の人がどれだけ空に憧れたか――むしろ憧れが少なかったか――を裏付けるものかもしれません。

例えば、19世紀の天文趣味の隆盛を、数多の天文古書に探ることは容易ですが、それもやはり一部の奇特なマニアや、教育熱心な家庭の周囲のみで起きていたことかもしれず、面的広がりについては、一定の留保が必要かもしれないなあ…と、星のおもちゃを前に、ふと考えます。

当時の美しいデザインに惹かれて、私はややもすると19世紀を「天文趣味の黄金郷」のように考える癖がありますが、それは「そうあって欲しい」という、私の願望の投影に他なりません。

反対に、世間が宇宙ブームに沸き、宇宙ヒーローに子供たちが熱狂した1950年代~70年代にかけては、宇宙モノの玩具がそれこそ雨後のたけのこのように現れ、飛ぶように売れました。テレビという新たなメディアの出現も大きかったでしょう。あれこそ面的広がりと呼べるもので、それに比べれば、やはり戦前の天文趣味(ないし宇宙趣味)は、おとなしいものでした。

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そんなこんなで、私の収集対象は、マスプロ製品化する前の、1950年代以前の玩具に力点が置かれることになりますが、これもそう厳密なものではなくて、気になる品なら、70年代あたりのものでも、パッと手が伸びるというフィールドのゆるさがあるので、鉄板コレクターには、到底なれそうにないです。

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さて、事前の講釈はこれぐらいで切り上げて、星の玩具の風情をさらに眺めてみます。


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