東と西2023年06月23日 06時15分00秒

一昨日の続きめきますが、太陽が時計代わりになるのは、もちろん地球がくるくる回っているからで、この巨大な時計の心臓部は、太陽ではなく地球の方です。


地球がくるくる回っていることから活躍するのが、こういう「世界時計」
時計とはいっても、これ自体は時を刻まないので、「時刻早見盤」と言ったほうが正確かもしれません。本体は金ぴかで、真新しく見えますが、外箱の古び方と付属のタイプ打ちの説明書の感じから、1970~80年代、いわゆる東西冷戦期の品ではないかと想像します。


盤全体は、時刻を刻印した「蓋」と、各都市の名を記した「身」に別れていて、蓋をくるくる回せば、「東京が(パリが、ニューヨークが…)〇〇時のとき、モスクワは(シドニーは、リオは…)××時だ」と即座に分かる便利グッズです。

まあ、別に珍しくもなんともない品ですが、手元にあると何かと便利で、「さっきニュースで見た町は、今頃夕餉の頃合いか…」とか、いろいろな気づきがあります。


NYやLAやHK(香港)にまじって、一番上の「DL」というのは何だろう?…と思ってよく考えたら、これは地名ではなくて日付変更線(Date Line)の略でした。

ちなみに中央のロゴの文字が読めますか?
何となくフォルクスワーゲンっぽいですが、違います。
最初、私も首をひねりましたが、上下を逆にして眺めると、そこに浮かぶ文字は「AAA」で、これは「アメリカ自動車協会」の記念グッズなのでした(AAAはアメリカのJAFみたいな組織です)。

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上で「東西冷戦」を持ち出したのは、アンカレッジからの連想もあります。
アンカレッジの名を耳にしなくなって久しく、その名に思い入れがあるのは、或る世代まででしょう。

アラスカのアンカレッジ空港は、日本からヨーロッパに飛ぶ際の経由地としてお馴染みでした。冷戦期は、シベリア上空を「西側」の飛行機が飛ぶことができなかったため、遠回りせざるを得なかったからです(南アジア~西アジアを経由する「南回りルート」というのもありました)。

もちろん、子供時代の私が飛行機で世界中を飛び回ってたわけはありませんが、アンカレッジの名は、テレビやラジオを通じて身近でしたから、今でも懐かしく耳に響きます。(でも、アンカレッジは別に廃れたわけではなく、現在も重要な空港都市だそうです。)