ゆき ゆき ゆき ― 2026年01月29日 18時51分34秒
今宵も雪がちらついています。
たむらしげるさんによる福音館の「ちいさなかがくのとも」シリーズの一冊、『ゆき ゆき ゆき』(2011年)。
「ちいさなかがくのとも」は、福音館の科学絵本の中ではいちばん小さい子(3~5歳)向けのシリーズです。それだけにごまかしがきかない、絵本作家にとっては手ごわい読者かもしれません。
たむらさんは、これから雪が降りだす鉛色の空と、いよいよそこから舞い落ちてきた雪の結晶を徐々にクローズアップする形で描き、それを見つめる男の子、雪の中をひたむきに飛ぶ白鳥、そして雪だるま作りの光景を配することで、雪の日の一日を描いています。
たむらさんといえば、透明感のある鮮やかな色使いがまず思い浮かびますが、ここではひたすら灰色の空と白い雪という、非常に抑制的な描写がされている点が印象的です。雪の日を虚心に描けば確かにモノクロームの世界ですし、それを客観的に描くことがすなわち科学的姿勢だという配慮があったのかもしれません。
ここに目を奪うような鮮やかさはありませんが、今日のような日に窓の外の世界を思い浮かべながら眺めていると、なんとなく静かな心持ちになります。



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