暗い情念に突き動かされて2026年03月10日 06時05分25秒

先週の木曜日にちょっとしたイベントがあり、その準備に追われて記事が書けない…みたいなことを先日書きました。でも、その後もあいかわらず記事を書かずにいました。その間いったい何をしていたのかといえば、ずばり買い物にエネルギーを注いでいたのです。

再任用になって給料も減ったし、円安だし、燃料費高騰で送料も高いし、このところ海外からモノを買うこともめっきり減っていました。でも、先週の木曜はちょうど啓蟄で、何となく虫が動き出したというか、まあ虫に限らず、気温の上昇とともに活動性が上がることは、きっと何か生物学的要因があるのでしょう。

しかも間の悪いことに、私はそのタイミングで「おお、これは!」と思う品(天文モチーフを含む古画です)に出会い、何とか手に入れる算段はないかと必死に考えていました。そして、「もしあれが届いたら、こういう額縁をあつらえて、マットはこれで…」と、次から次へと妄想をふくらませていたのです。

それなのに、嗚呼それなのに、私がそれをお気に入りに登録した2日後、突如そこに「sold」の文字が表示されたのです。私の顔面は蒼白となり、名状しがたい悔しさと悲しさの奔流に、心ははげしく揺さぶられました。

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こういう場合、私の思考は静かな諦念に向かうよりも、「よし、あれ以上に素晴らしい品を ―-- あのときあれが sold になって良かった!と思える品を、絶対見つけるぞ!」という方向に向きがちです。これは一見ポジティブなように見えて、芯にネガティブな要素を含むので、あまり生産的ではないと思います(要は“自分をふった恋人を見返してやるぞ!”みたいな心理ですね)。

でも、人はえてしてネガティブな心に支配されている方が、一層大きなことをやらかすものです。私もこの間ずっと、この世のどこかにあるかもしれない「まぼろしの逸品」を探して、ずっとディスプレイの前に貼りついていました(まったく生産的ではありません)。

その帰結についてはあえて書きませんが、それは私の精神になにがしかの傷を残し、私の財布には一層大きな傷を残したのです(結局、あれこれ買物をしたわけです)。人はその愚かさを嗤うでしょうが、でも、私の手元にある品のうち少なからぬ部分は、そうやって集まったものなので、ネガティブパワーも決して侮れません。


「蒐集家の執念」というタイトルで Gemini3 が描いてくれた作品 。とても分かりやすい絵ですね。ピンセットを手に、この紳士が何をしているのかは不明ですが)

(では次に「古書蒐集家の情念」というタイトルで別の絵をお願いします…とオーダーしたら、こんな絵を返してきました。AIも手を抜くことを覚えたらしく、ますます人間臭くなってきました)