金子式プラネタリウムの時代 ― 2026年05月05日 16時59分00秒
「『けいおん!』の理科室」と題して、滋賀県豊郷(とよさと)町の豊郷小学校・旧校舎にあった理科室を集中的に記事にしたのは、今からちょうど14年前、2012年5月のことです。最近は過去記事にリンクを張っても、見られないことの方が多いですが、一応リンクしておくと、以下から間欠的に続く一連の記事です。
■「けいおん!」の理科室…豊郷小学校旧校舎・理科室(1)
さらにその翌月には念願が叶い、その憧れの理科室に足を踏み入れることができたのも、今では懐かしい思い出です。
豊郷小旧校舎は、米人ウィリアム・ヴォーリズの設計になる、戦前にあってはとびきり瀟洒でモダンな建物で、アニメ「けいおん!」(2009~10年放映)の舞台である女子高の作画上のモデルになったことで、いわゆるアニメの聖地ともなりました。
同アニメを手掛けた京都アニメーションが、あの痛ましい事件に巻き込まれたのは2019年で、平成から令和にかわった年のことです。そんなあれこれを思い起こすと、ゆっくりと、でも確実に移ってゆく時代の流れを実感します。
★
2012年に豊郷小訪問を叶えていただいたY氏から、以下のイベントのお知らせをいただきました。
■教室で見た星空、ふたたび ― 75年前のプラネタリウム再現体験
○日時: 2026年5月31日(日)10:30から5回(各30分程度)
10:30、11:30、13:30、14:30、15:30開始
○場所: 豊郷小学校旧校舎群2階
○参加費: 無料、入場自由
○主催: おりおん!イベント実行委員会、豊郷町教育委員会社会教育課
以下、チラシ解説文より。
「金子式プラネタリウム改による1950年代プラネタリウムの再現投影会を開きます。金子式プラネタリウムは戦後日本で開発されたドーム式プラネタリウムの最初期のものです。豊郷小のものは日本で初めて学校に納入された機体(2号機)です。今回の再現投影会で使用するのは、この2号機の同型機に、最新LED化等の改修を施した金子式プラネタリウム改です。」
このプラネタリウムを、私は2012年の訪問時、確かに目にしたはずです。というのも、そのとき撮った写真に、それははっきり写っているからです。
でも、そのときは「古い理科室にありがちなもの」というくくりで眺めただけで、その貴重さに気付きませんでした。しかし、世の中にはやはり具眼の士がおられるもので、プラネタリウム史や理科教育史の中に、それをしっかり位置づけて、真価を認めた方がいらっしゃるのです。
今回の催しは、琵琶湖畔の小さな町の小さなイベントとはいえ、その意義までもがそうだとは思いません。スペース・エイジを迎えて、人々の宇宙への憧れが大きく膨らんだ時代の、これは貴重な生き証人であり、その素朴な投影像の向こうに、当時の子どもたちの瞳の輝きを想像すると、私は何だか胸がいっぱいになります。
時代は風波をともなう巨大な潮流のように進みます。
しかし、ときにその波頭を越え、ときに波の底から浮かび上がるものもあります。



最近のコメント