天文古玩の世界への招待(2)…望遠鏡 ― 2006年01月29日 19時35分39秒
『過ぎ去りし天文学の形見 Relics of Astronomy's Past』
by リチャード・サンダーソン Richard Sanderson
ニューイングランド中の骨董屋、古本屋、そしてオークションハウスで、天文学の華やかな歴史の遺産が、今も誰かに発見されるのを待っている。アンティーク望遠鏡、古書、絵葉書、天球儀、こうした宇宙の研究と結びついた昔のモノたちを通じて、過ぎ去った時代の魅力を垣間見ることができる。
アンティーク望遠鏡は、コンピュータとICの時代以前に、我々の先祖がどのように宇宙を研究したのかを想像する助けとなる。その輝く真鍮の鏡筒、鋳鉄の架台、頑丈な樫の三脚は、今日ではもうめったに見られない、職人技の質の高さを示している。多くのコレクターや学者の目からすれば、昔の科学機器はまさに芸術品なのである。
アンティーク望遠鏡は稀少品だが、それでも時おり骨董市やオークション、それに eBay のようなオークションサイトで見かけることがある。去年9月のブリムフィールド蚤の市では、卓上三脚とオリジナルのレンズが付いた、18世紀の素晴らしい真鍮製の反射望遠鏡を見たが、このお宝には数千ドルの値札がぶら下がっていた。売り手とコレクターは、みなアンティーク望遠鏡の稀少さと値打ちをよく知っており、高い価格はその知識を反映しているのだ。
星好きの人間にとって、よりリーズナブルな選択肢としては、よくできた複製品もある。Eric and Kate van Cort 社では、サウス・ディアフィールドにある彼の工場で、アンティーク科学機器の良質の複製品を生み出している。彼らのショールームはヤンキーキャンドル〔=キャンドルショップ〕の向かい側にある。
ここで、eBay の利用者にひと言注意を。不届きな業者 も中にはあって、古い真鍮望遠鏡の複製品に写真を添えて、本物のアンティークと見せかけて販売している者がいる。掲載された説明文の中で、彼らは「アンティーク」や「19世紀」という言葉を使うのは避け、いっぽうで出品した商品が複製品であることもはっきり言わない。
(この項続く)
(なお、写真はイメージです。)
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