さらにチャーミングな本(3)… ASTRONOMY FROM A DIPPER2007年01月08日 22時39分55秒

この本は、どの項目も見開きで左に解説、右に説明図が来るというレイアウトで統一されています。(横長の版型なので、上の写真では左頁を上に、右頁を下に切り張りしました。)

内容は、題名の通り北斗七星から始めて、頁を追うごとに近くの星座を順に覚えていくというもので、上図は、手始めに北極星とこぐま座を見つけるためのレッスン。(こういうレクチャーの仕方は、クラークが最初ではないかもしれませんが、彼にとっては独自に考えた方法なのでしょう。今でこそポピュラーなやり方といえますが、当時はコロンブスの卵的な発想だったと思います。)

さて、左の解説頁にも、右下に小さなカットが描かれています。横長の本の絵です。その表紙には「改訂第5000版 H.M.社」と書かれており、「ん??」と思いながら本文を読むと、

 「数千年前、北極星(ポラリス)は、天の北極を示す星(ポール・スター)
  ではなかったし、数千年後もまたそうだろう。そうなったら、この教科書
  も新しい改訂版を出さねばなるまい。」

とあって、ちょっとニヤッとすることになります。(H.M.社とは、言うまでもなく版元の Houghton Mifflin 社のこと。)

こういうユーモアが、この本をとても楽しいものにしています。