足穂氏、銅の甲冑を身にまとう…『機械学宣言』2011年07月30日 19時49分04秒

新潟・福島では猛烈な豪雨。
当地でも宵から俄かに雨脚が強くなってきました。不安な夜です。

   ★

さて、有言実行を口にし、また足穂氏の名前を出したので、安易な連想遊戯で話を進めます。

足穂氏の本で、以前“いつか買うぞ”と誓ったものがあります。
すなわち、稲垣足穂・中村宏共著 『機械学宣言』・特装版(仮面社、1970年)。

(↑外箱と中身)

もう4年近く前になりますが、彼の『一千一秒物語』を話題にしたとき(http://mononoke.asablo.jp/blog/2007/12/09/2495793)、この本についてコメント欄で教えていただき、それ以来ずっと気になっていました。
やっと金の工面が付いたのが、それから2年後。(昨日の卵もそうでしたが、どうも私の場合、2年ぐらいジタバタするパターンが多いようです。)

「地を匍う飛行機と飛行する蒸気機関車」 の副題を持つこの本、画家である中村宏氏と、足穂氏、それに“行司役”の松岡正剛氏による鼎談を中心に、著者二人の特論と、さらに中村氏の作品図版が付属するという体裁のものですが、特装版の特装版たるゆえんは、中村氏自身が手がけた「銅板製本」という奇怪な造本にあります。


三方赤染めの本文をガッシリ覆う銅板、リベット、銀メッキを施した蝶つがい。


うーむ、すごい本です。銅の表面に生じた酸化被膜が妖しさを一層高めている感じです。


コントラストを上げると、まさに虹のような輝き。こうなると、もはや本であって本でないですね。

(この項つづく)

コメント

_ T.Fujimoto ― 2011年07月30日 23時57分35秒

いや、すごいですね...

_ shigeyuki ― 2011年07月31日 10時56分55秒

入手されたんですね。いや、改めてなんともすごい本です。
足穂氏の本には、本当に収集癖をくすぐるようなものが多いですよね。
読むだけなら全集でいいのでしょうが、もはや内容は問題ではないような気がしてきますね。

_ 玉青 ― 2011年07月31日 19時01分24秒

○T.Fujimotoさま

ええ、言葉を失います.....

○shigeyukiさま

この本はshigeyukiさんに教えていただいたので、真っ先にお礼を言わねばなりません。
すっかり報告が遅くなりましたが、そう、買ったんですよ。
内容は通読してないので不明ですが、チラ見した感じでは、強烈な70年代のノリというか、「分からないことを分かったように言い、それを良しとする」時代でしたから、まあ、今の目で評価すると「意味不明、理解不能」に近いですね(少なくとも私にとっては)。でも、仰るように内容はどうでもよくて、怪人タルホが、赤がねの鎧を着て目をギョロリとさせていれば、もうそれだけで十分です。(笑)

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