7月のイベント(2)…古都の空に人と星の歴史を読む2012年07月11日 22時56分25秒

ふたつめのイベントのご案内。
これまたロケーションは関西で、おなじみの京都のLagado研究所さん(http://lagado.jp/)が、お店の外に飛び出して、鴨川べりで星空を見上げる会を開くという情報です。

(Lagado研究所店内 2011年撮影)

Lagado 研究所 課外授業 星空教室
  http://tinyurl.com/88g438z
  (該当ページのURLが長大なので、TinyURLで短縮しました。)

○日時  7月28日(土) 20:00~22:00
       ※雨天中止
○場所  京都市左京区出町柳駅前 鴨川デルタ
       Mapはこちら
○講師  廣瀬匠氏(星のソムリエ)
○定員   30人
○費用   500円(中学生以下無料)
○申込み  淡嶋さん(info@lagado.jp)宛て、名前・人数を記入の上メールで。

以下、内容のあらまし。

「主な内容は、京都から見える夏の星座の見つけ方や星座の成り立ち。科学が今ほど進歩していなかった時代の人たちは、どのような宇宙観を持っていたのかなどを探っていきたいと思います。また、子供の頃から漠然と疑問に思っていた宇宙の謎について先生が楽しく解説してくれます。」

これだけ読まれると、一見ファミリー向けの企画のように思われるかもしれません。
実際そうした要素もたぶんあるので、誰でも安心してご参加いただけると思います。
しかし、不思議を売り物にする(?)同研究所だけに、香辛料もちゃんと効いています。

それは今回の講師を務められる、廣瀬匠氏のバックボーン。
同氏の経歴は以下のように紹介されています。
「天文ライター兼編集者として星空案内や現代天文学の話題を雑誌等で発信。星のソムリエ。現在京都大学大学院では中世インド・アラビアを中心とした天文学史を研究中。」

中世インド・アラビア天文学史!
私の勝手な思い込みかもしれませんが、いかにも香辛料が効いているではありませんか。

星座史、天文学史を本格的に学ぼうと思ったら、ギリシャ・ローマ世界を超えて、もっと東方に目を向けねばならないというのは、誰でも思いつくでしょうが、しかし、実際それを専攻されている方は、日本では少ないと思います。そうした方の話を、星空の下で、じかに聞けるというのは、実に得難い経験です。

(アストロラーベに付属する星座盤。ペルシア17世紀 ※)

   ★

講師紹介のページ(http://tinyurl.com/8a5x4kz)で語られた、廣瀬さんご自身の抱負。

―Lagado研究所の授業はどのようにしていきたいですか?
星空の下、黒板とチョークだけで行われる授業ってなかなか無いですよね。
私自身、パソコンで作成したスライドを投影するだけの授業をすることがほとんどなので、今回の授業では新しい境地を開拓するつもりで臨みたいです。

―来てくれるお客様へ一言お願いします。
是非、大量の「?」を用意して来てください。
みなさまの「?」をどれだけ減らせるかわかりませんし、下手をすると「?」が増えてしまうかもしれませんが、多くの新しい「!」を持って帰っていただける自信があります。

素敵です。とても臨場感あふれる、そして対話の妙にあふれた‘授業’が期待できそうです。六甲昆虫館でちょっとスノッブな夜を過ごした翌週は、夕涼みがてら、古都で「野外星サロン」に参加されてはいかがでしょうか。

(獅子の姿をした太陽。インド17~18世紀 ※※)

   ★

なお、Lagado研究所では、今夏、「星空教室」につづいて、8月4日(土)には中尾優司さん(大阪市立科学館友の会 評議員。大学院で運慶・快慶について研究中)をお招きしてのイベント(内容はこれからリリース予定)、さらに8月11日(土)には、「音楽ライブ-惑星のかぞえかた-」(詳細→ http://tinyurl.com/7taz88h)と、星をテーマにしたイベントが続きます。


(※)Carole Stott, CELESTAL CAHRTS. Smithmark, 1995.
(※※)George S. Snyder, MAPS OF THE HEAVENS. Abbeville, 1984.

コメント

_ 廣瀬匠 ― 2012年07月12日 00時37分59秒

はじめまして、その講師の廣瀬です!
ご紹介いただきありがとうございます。
私がちょうど天文学史の研究という道を選んだ時期に「星を追い、光を愛して」や「ビクトリア時代のアマチュア天文家」を拝読しておりましたので、こうして言及していただけるのはたいへん光栄です。
何分未熟者なので香辛料の調合が下手ですが、京都・鴨川の星・Lagado研究所という素材の良さを活かした教室を目指します。
いつか観望会などでお目にかかる機会があれば幸いです。

_ 淡嶋健仁  ― 2012年07月12日 01時11分10秒

玉青さま
丁寧に説明して頂き、大変ありがとうございます。
「野外星サロン」いい名前です。

廣瀬先生は、とても説明がわかりやすく、最後まできちんと教えてくれる先生です。
運営側もどのような化学反応が起こるかわからない楽しみがあります。
出来ましたら、一ヶ月に一回ほどを目安に星空教室を考えております。
皆様もぜひお時間がありましたら遊びにいらしてください。

_ ねこぱんち ― 2012年07月12日 20時09分21秒

管理人さんは関東在住ですか?

_ 玉青 ― 2012年07月12日 21時48分34秒

○廣瀬さま

はじめまして。遠路足をお運びいただき恐縮です。
拙訳もご覧いただいた由、まことにありがとうございます。

素材の良さ、スパイスの妙、そして人々の和…20日の夜は、すてきなディナーが堪能できそうですね。あと、ディナーには「お酒」も欠かせないので、ソムリエに期待するところ大です。(^J^)
うーん、指をくわえて見ているのが辛いですねぇ。
いずれご相伴にあずかれる日を心から楽しみにしています!


○淡嶋さま

>どのような化学反応が起こるかわからない

本当ですね。それこそが、サロン的な場の良さでもあるのでしょう。
絶妙な反応が生じて、突如、鴨川上空に五色の花火が上がったらスゴイですね!


○おふたりへ

それではイベントの大成功を、当地よりお祈りしております。

_ 玉青 ― 2012年07月12日 21時52分26秒

○ねこぱんちさま

あまり個人的なことを語るのも憚られますが、私は関東と関西の中間地点にいます。

_ ねこぱんち ― 2012年07月12日 22時30分13秒

そうですか。
わたしは芸州は広島のものでございます。

_ 玉青 ― 2012年07月13日 23時34分33秒

おお、ねこぱんちさんは広島ですか。
お互い関東、関西、いずれも外部から見る形になりますね。
広島方面の方とは、これまであまり接点がなかったので、芸州からの風をどんどん吹かしていただければありがたいです。

_ たつき ― 2012年07月16日 09時23分32秒

玉青様
今回の写真、お店はもとよりどれもすばらしいものばかりですね。とくに、アストロラーベの星座版は最高です。玉青さんはいろいろとステキなものを紹介して下さるので楽しみなのですが、見ると欲しくなるのが困りものです。紹介してほしいような、やめてほしいような、複雑な気持ちです。

_ 玉青 ― 2012年07月16日 10時10分42秒

たつきさま

六甲昆虫館は決して広くはないのですが、それだけに親密な空気があって、素敵な空間です。虫が苦手でない方には強くお勧めします。

金色に輝くペルシャの星座盤、いいでしょう?
まあ、あの画像は本から勝手にスキャンしただけなので、実物が手元にあるわけではありませんが、(もしあれば)レプリカでもいいから手に入るといいなあ…と思っています。

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