道を楽しむ2013年11月25日 21時56分27秒

昨日書いた本が届きました。


メルキュール骨董店 (著/アートディレクション)
  『西洋骨董道楽 ― 一世紀を生きた西洋ブロカントが大集結』
  玄光社、2013

 (Amazonの商品ページ http://tinyurl.com/mrgko6y

玄光社MOOKの1冊で、雑誌サイズの大判&フルカラーの美しい本。

『西洋骨董道楽』という書名を聞くと、なんとなくロココチックな金ぴか家具とか、フランス人形とか、アールヌーボーのガラス器とか、ああいう世界を思い浮かべますが、この本が読者を導こうとしているのは、それとは全く違った世界です。
端的にいえば、<理系アンティーク+ヴンダー>の世界。

本書の章節を見れば、その目指すところははっきりします。

(ちょっと読みにくいですが目次ページ。天文率高し。)

メルキュール骨董店さんのことは先日も記事中で触れました。以前は「トロワ・ブロカント」という屋号でオンライン・ショップを運営されていたので、その名称の方が耳に親しい方も多いことでしょう。その品揃えそのままの、涼やかで不思議な世界が、ここにはあります。

   ★

本を手にして、まず思ったのは「ついにこの分野の本が出たか…」ということ。
別に理系アンティークの世界に自ら身を置いていたわけでもないのに僭越な物言いですが、少なくとも野次馬的に観察していた者として言わせていただければ、かつてあれほどマイナーだったモノたちが、こうして一冊の本にまとめられ、晴れて世に出たというのは、まことに感慨深い一大事件です。

内容サンプルは、メルキュール骨董店さんご自身のブログ(http://trobro.kakuren-bo.com/Entry/97/)にいくつか紹介画像があるので、ご覧いただければと思いますが、ここでは私も関心の深い「天文古書」のページだけチラリと載せておきます。


マイナーな上にもマイナーな存在だった天文古書に、こうして光が当たったことは、何よりも本自身にとって良いことでしょう。

   ★

さて、今日のところは本を手にしての感慨を述べるにとどめ、中身の方はこれから1ページ1ページ、味わいながら読んでいくことにします。

…と言いつつ、1つだけ慢心して吹聴すると、本書pp.38-39に掲載されている木星の風景画、あれの原画は現在私の手元にあります。これはちょっと驚くべきことじゃないでしょうか。(参照:http://mononoke.asablo.jp/blog/2012/03/18/6380095