螺旋蒐集(3)…ミクロ・スパイラル2013年12月30日 19時51分00秒

画像をクリックして、右上に注目。


あ、アンモナイトの赤ちゃんが!

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この差し渡し3ミリに満たない「赤ちゃんアンモナイト」の正体は、有孔虫の仲間であるヌムリテス、すなわち「貨幣石」の一種です。傍らに大小の完全体が並んでいますが、このコイン状の殻が2つにパカッと割れると、内部にこういう見事な螺旋構造が隠れているのでした。


この微小化石のプレパラートはイギリスの業者から買いましたが、中身はフランス生まれ。フランス北部の町サン=ゴバンで採取された、前期始新世、ざっと5000万年前のNummulites planulatus という種類。

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さらに同じ有孔虫の仲間であるオペルクリナ属には、ずばり ammonoides という種類がいて、その姿↓を見ると、本当に自然とは不思議だなあと思います。

Operculina ammonoides :Foraminifera - the blog of foraminifera.eu
 http://foraminifer.blogspot.jp/2012/12/operculina-ammonoides.html

本家アンモナイトは遠い昔に絶滅しましたが、こちらの赤ちゃんアンモナイトは現生種で、割と身近なところでも見られるようです。

■『篠島産有孔虫図譜』:電脳博物図譜
 http://mihamacco.com/zuhuindex.files/1.htm
(愛知県篠島の砂浜で採取された有孔虫類の写真。No.8、9のオペルクリナ属はやっぱりアンモナイトそっくり)

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アンモナイトやオウムガイは、軟体動物門・頭足綱(イカやタコの仲間)に属しますが、有孔虫は動物ですらなくて(かといって植物でもなしに)原生生物ですから、両者の間に系統関係は全くなく、「他人の空似」とはよく言ったものです。

(この項つづく)

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