彗星まつり2016年02月03日 20時31分00秒

ひと月前、ちょっと妙な絵葉書を載せました。
大きな星をかたどった山車を引いて練り歩く、南仏プロヴァンスのカーニバルの情景を写した絵葉書です。


そもそも、なんで星なのか?
…というのが、まったくもって謎でしたが、コメント欄でのやりとりを通じて、ふと1910年のハレー彗星回帰にちなむものじゃないかと思いつきました。ちょうど絵葉書の発行年がその頃と思われたからです。

   ★

その後、この推測を裏付けるような絵葉書を見つけました。


前回の絵葉書は、エクサンプロヴァンス(Aix-en-Provence)という町でしたが、こんどのは同じ南仏でも、ぐっと東に寄ったニースの町のカーニバルです。


キャプションには「ニースのカーニバル。彗星の作用」とあって、ペン書きで1910とメモされています。これぞ間違いなくハレー彗星をネタにした出し物でしょう。


何が彗星の作用なのか、さっぱり分かりませんが、奇怪な彗星を乗せて山車はしずしずと進み、山車から手を振る人も、それを見送る人も、町はお祭りムード一色です。




明るい南仏の陽光と、大戦前の欧州の華やぎが、何とも眩しく感じられます。

コメント

_ S.U ― 2016年02月04日 07時14分08秒

「彗星まつり」--いい響きですね。そもそも彗星は凶兆でしたがハレー彗星の周期性が発見された以降はそういう感情は相当薄れたことでしょう。

 今回のご確認で、エクスの謝肉祭の絵はがきも1910年のハレー彗星がらみと考えられますね。するとその山車に描かれている飛行機は、1909年にルイ・ブレリオによってドーバー海峡を越えたブレリオXI型ではないでしょうか。初期の飛行機とハレー彗星が当時の人の同じ連想でつながっていたのなら本当におもしろいと思います。

_ 玉青 ― 2016年02月05日 22時36分35秒

>ブレリオXI型

おお、愛しのブレリオ。
彗星、三日月、ブレリオ…と揃えば、タルホ氏もご満悦たること疑いなしですね。
http://mononoke.asablo.jp/blog/2010/04/01/4989088

_ S.U ― 2016年02月06日 09時14分29秒

>タルホ氏もご満悦たること疑いなし
 これらの絵はがきを拡大鏡でよく見ると、黒縁眼鏡でシガレットくわえたおっさんが山車に半分隠れて写っているということはないですか(笑)。

_ 玉青 ― 2016年02月06日 11時47分30秒

あはは。どうもオッサンは写っていないようです。たぶん画面の「こっち側」で、カメラマンに口やかましく指示を出すのに忙しいのでしょう。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック