過去記事フォローシリーズ… 奇想ブログ CURIOUS EXPEDITIONS のこと ― 2008年01月03日 09時53分06秒
■元記事:http://mononoke.asablo.jp/blog/2007/10/18/1859122
皆さん覚えておいででしょうか。
去年、「衝撃のブログ」としてご紹介した、CURIOUS EXPEDITIONS を。その後も時々見ては、目を喜ばせていますが、本当によくやるなあ…と感心することしきりです。
例えば、昨年11月26日の記事(http://curiousexpeditions.org/?p=148)。
ウィーン自然史博物館を取り上げていますが、目の付け所がまた特異で、ガラスで出来た海生動物の模型が登場。おそろしく繊細なガラスのクラゲ…うぅ…これは部屋に欲しいですねぇ。
あるいは12月3日の記事(http://curiousexpeditions.org/?p=153)。
ウィーンの「グローブ博物館」の探訪記。この種のものとしては、世界でただ一つの公共博物館であり、量的にもグリニッジの非公開コレクションに次ぐ規模だそうです。その内容は、いわゆる地球儀・天球儀にとどまらず、オーラリーやテルリオンといった惑星運行モデルにも及び、この手の物が好きな人にはたまらない展示。
ところで、後者の記事のタイトル「A Steampunk Galaxy」。どういう意味かな?…と首をかしげつつ、ちょっと調べたことを書きます。(次項に続く)
■付記■
ブログ主の方は、現在トルコ遠征のため募金を求めているそうです。オンライン決済サービスのPaypalアカウントをお持ちの方は、ページ右上の「donate」ボタンを押してあげると喜ばれるかも。「5ドル以上寄付の方には手製の粗品進呈」とあって、私も好奇心から応募してみましたが、どんな品が届くかはお楽しみ。。。
■さらに付記■
心なしか、記事のカテゴリーやリンク先(右下にある‘Fellow Explorers’の項)も増えているような…。本編に限らず、リンク先のサイトにも大注目です。
例えば、「キルヒャー協会」(http://www.kirchersociety.org/)。何ですか、これは!!再び衝撃が走りました。このサイトもゆっくり見て回った上で、改めて紹介したいと思います。
皆さん覚えておいででしょうか。
去年、「衝撃のブログ」としてご紹介した、CURIOUS EXPEDITIONS を。その後も時々見ては、目を喜ばせていますが、本当によくやるなあ…と感心することしきりです。
例えば、昨年11月26日の記事(http://curiousexpeditions.org/?p=148)。
ウィーン自然史博物館を取り上げていますが、目の付け所がまた特異で、ガラスで出来た海生動物の模型が登場。おそろしく繊細なガラスのクラゲ…うぅ…これは部屋に欲しいですねぇ。
あるいは12月3日の記事(http://curiousexpeditions.org/?p=153)。
ウィーンの「グローブ博物館」の探訪記。この種のものとしては、世界でただ一つの公共博物館であり、量的にもグリニッジの非公開コレクションに次ぐ規模だそうです。その内容は、いわゆる地球儀・天球儀にとどまらず、オーラリーやテルリオンといった惑星運行モデルにも及び、この手の物が好きな人にはたまらない展示。
ところで、後者の記事のタイトル「A Steampunk Galaxy」。どういう意味かな?…と首をかしげつつ、ちょっと調べたことを書きます。(次項に続く)
■付記■
ブログ主の方は、現在トルコ遠征のため募金を求めているそうです。オンライン決済サービスのPaypalアカウントをお持ちの方は、ページ右上の「donate」ボタンを押してあげると喜ばれるかも。「5ドル以上寄付の方には手製の粗品進呈」とあって、私も好奇心から応募してみましたが、どんな品が届くかはお楽しみ。。。
■さらに付記■
心なしか、記事のカテゴリーやリンク先(右下にある‘Fellow Explorers’の項)も増えているような…。本編に限らず、リンク先のサイトにも大注目です。
例えば、「キルヒャー協会」(http://www.kirchersociety.org/)。何ですか、これは!!再び衝撃が走りました。このサイトもゆっくり見て回った上で、改めて紹介したいと思います。
スチームパンクと古玩趣味 ― 2008年01月03日 10時03分59秒
(↑スチームパンクな味わいのオーラリー。ジェームズ・ファーガソン作。1780年ごろ。出典:Bruce Stephenson et al., THE UNIVERSE UNVEILED, Cambridge University Press, 2000)
《新春2連投。前の記事の続きです》
‘steampunk’、‘clockpunk’ というのが、例のブログのカテゴリーにも挙げられていて、以前の記事では、「蒸気仕掛け」 「時計仕掛け」 と、いい加減に訳しましたが、完全に誤訳なので訂正しておきます。
こういう辞書に載ってない単語は、その筋の人には自明なのでしょうが、門外漢にはさっぱりで、私もネットで検索して初めて(おぼろげながら)意味が分りました。
「スチームパンク」、「クロックパンク」 というのは、いずれもSFファンタジーの1ジャンルで、「サイバーパンク」から派生したものだそうです。「サイバーパンク」 が、人体と機械、脳とコンピュータの融合した世界を舞台に、その中で展開する作品群であるのと同様、スチームパンクとクロックパンクも、一種の独自の世界 ― 現実世界とは異なる進化を遂げた 「ありえたかもしれないもう一つの世界」 におけるストーリーを描くのが特徴です。
スチームパンクの方は、ヴェルヌの 『海底二万マイル』 がその先蹤とされることからも分るように、蒸気機関に代表される19世紀的なテクノロジーが過剰に発展した世界を舞台にした作品群で、宮崎駿監督の 「天空の城ラピュタ」 なんかもその系譜に位置づけられます。
他方、クロックパンクの方は、ルネッサンス風の機械テクノロジーが進化した世界が舞台だそうですが、私にはちょっと具体的な作品イメージが湧きません。(ご教示いただければ幸いです。)
で、そういう言葉を知ってみれば、ストンと腹に落ちることがあります。
フープ博士も明らかにスチームパンクですね。「銀河鉄道の夜」 や、長野まゆみ作品の一部にも、その気(け)がありそうです。私なりに敷衍すれば、要するにスチームパンクとは 「真鍮と鋳鉄製の科学機器が似合う世界ないし物語」 だと思います。
してみると、この 「天文古玩」 が目指す“リリカルな、郷愁の天文趣味”というのも、実は、現実の19世紀天文学に、スチームパンクなスパイスをまぶしたものではないか…ということに、ハタと気づきました。
件のブログの記事の標題、「スチームパンクの銀河」 というのも、オーラリーやテルリオンといった器械装置に、スチームパンクのイメージを重ねているのでしょう。
考えてみると、大方の歴史好きは、多かれ少なかれ 「パンク」 な要素があるのではないでしょうか。水戸黄門や暴れん坊将軍を通して江戸時代をイメージする、源氏物語や安倍清明を通して平安時代をイメージする、いずれもフィクションと知りつつ、現実の過去に重ねてしまうところに 「パンク」 の匂いを感じます。
■参考■
○ウィキペディア 「スチームパンク」 の項
http://tinyurl.com/25rs3r
○Da Vinci Automata より‘Introducing Clockpunk’
http://davinciautomata.wordpress.com/2007/03/03/introducing-clockpunk/
《新春2連投。前の記事の続きです》
‘steampunk’、‘clockpunk’ というのが、例のブログのカテゴリーにも挙げられていて、以前の記事では、「蒸気仕掛け」 「時計仕掛け」 と、いい加減に訳しましたが、完全に誤訳なので訂正しておきます。
こういう辞書に載ってない単語は、その筋の人には自明なのでしょうが、門外漢にはさっぱりで、私もネットで検索して初めて(おぼろげながら)意味が分りました。
「スチームパンク」、「クロックパンク」 というのは、いずれもSFファンタジーの1ジャンルで、「サイバーパンク」から派生したものだそうです。「サイバーパンク」 が、人体と機械、脳とコンピュータの融合した世界を舞台に、その中で展開する作品群であるのと同様、スチームパンクとクロックパンクも、一種の独自の世界 ― 現実世界とは異なる進化を遂げた 「ありえたかもしれないもう一つの世界」 におけるストーリーを描くのが特徴です。
スチームパンクの方は、ヴェルヌの 『海底二万マイル』 がその先蹤とされることからも分るように、蒸気機関に代表される19世紀的なテクノロジーが過剰に発展した世界を舞台にした作品群で、宮崎駿監督の 「天空の城ラピュタ」 なんかもその系譜に位置づけられます。
他方、クロックパンクの方は、ルネッサンス風の機械テクノロジーが進化した世界が舞台だそうですが、私にはちょっと具体的な作品イメージが湧きません。(ご教示いただければ幸いです。)
で、そういう言葉を知ってみれば、ストンと腹に落ちることがあります。
フープ博士も明らかにスチームパンクですね。「銀河鉄道の夜」 や、長野まゆみ作品の一部にも、その気(け)がありそうです。私なりに敷衍すれば、要するにスチームパンクとは 「真鍮と鋳鉄製の科学機器が似合う世界ないし物語」 だと思います。
してみると、この 「天文古玩」 が目指す“リリカルな、郷愁の天文趣味”というのも、実は、現実の19世紀天文学に、スチームパンクなスパイスをまぶしたものではないか…ということに、ハタと気づきました。
件のブログの記事の標題、「スチームパンクの銀河」 というのも、オーラリーやテルリオンといった器械装置に、スチームパンクのイメージを重ねているのでしょう。
考えてみると、大方の歴史好きは、多かれ少なかれ 「パンク」 な要素があるのではないでしょうか。水戸黄門や暴れん坊将軍を通して江戸時代をイメージする、源氏物語や安倍清明を通して平安時代をイメージする、いずれもフィクションと知りつつ、現実の過去に重ねてしまうところに 「パンク」 の匂いを感じます。
■参考■
○ウィキペディア 「スチームパンク」 の項
http://tinyurl.com/25rs3r
○Da Vinci Automata より‘Introducing Clockpunk’
http://davinciautomata.wordpress.com/2007/03/03/introducing-clockpunk/
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