実験の時間(6)…英国編(その3)2012年09月04日 21時33分45秒

昨日の絵葉書には、何かとても遠い世界を感じましたが、なんぼ当時のイギリスでも、あんな少年たちばかり闊歩していたわけではないゾ…ということは、同時期の下の絵葉書からもわかります。


ここでは「林檎のほっぺ」や、いかにも利かん気のいたずらっ子が幅を利かせていて、ちょっとホッとできます。

イギリスは階級社会だとよく言われますが、この小学校は、より庶民的な学校なのでしょう。ネクタイも、している子もあれば、していない子もあり、服装がばらばらです。実験の際はエプロンを着けるよう言われているのでしょうが、それもあまり守られていません。

この写真で注目すべきは、室内の構造。
日本の小学校だと、理科室は何人かで卓を囲み、グループで実験するタイプばかりですが、イギリスの小学校には、教室内にカウンター状の実験設備を設け、そこで生徒が横一列に並んで実験するタイプもあったことが分かります(もちろん後で見るように、日本と同じタイプもあります)。

手前のカウンターの乱雑さを見る限り、これは決して「演出写真」ではありませんね(笑)。ただ、あまり器具や薬品が台上に出てないので、何の実験かなあ…と思って、先生の背後の黒板を拡大してみました。


黒板には「滑車、仕事、力、重さ」というような語が読み取れます。どうもこの日(1914年3月18日)は、みんなで物理の実験をしていたようです。