ニューヨーク、夢のプラネタリウム2017年06月03日 16時45分57秒

勢いでプラネタリウムの絵葉書をさらに載せます。


1939年のニューヨーク万博(New York World's Fair of 1939)のパビリオンとして作られた巨大なプラネタリウム。
なんだかヒロ・ヤマガタの絵のような、カラフルな祝祭ムードにあふれています。

(絵葉書の地紙は、当時流行ったリネン(布目)調)

円天井は夜空を欺く星々をちりばめ、ドームの外では巨大な星条旗がはためく、これぞ世界に冠たる「星たちが輝くところ(WHERE STARS WILL SHINE)」。

アメリカの古いプラネタリウムといえば、まずはシカゴのアドラー(1930)、次いでロサンゼルスのグリフィス(1935)、そしてニューヨークのヘイデン(1935)が御三家で、それらに続くのが、このプラネタリウムということになります。
まことに壮大な、夢のような星の殿堂。

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…と最初は思ったものの、調べてみると、どうも勝手が違います。
いくら検索しても、このプラネタリウムに関する情報が見つからないのです。

さらによくよく話を聞いてみると、この絵は計画段階のイメージ図に類するもので、実際に開設されたパビリオンは、直径55メートルの球体建築「ペリスフィアPerisphere」と、高さ186メートルの高塔「トライロンTrylon」から成る、ひどくモダンな姿に変身していたのでした。


そして展示内容も、夜空を鑑賞するプラネタリウムから、夢の未来都市のジオラマへと変更され、まあそれはそれで楽しかったでしょうが、結局、この絵葉書に描かれたプラネタリウムは、文字通り「夢のプラネタリウム」として終わった…というのが、この話のオチです。

ちなみに、現在、世界最大のプラネタリウムである名古屋市科学館の球形ドームが直径35メートルですから、かつてのペリスフィアがいかに大きかったか想像できます。こんなプラネタリウムが本当に作られたら、すごいでしょうね。

(撮影・名古屋太郎。Wikipediaより)