A Dreamy Blue Night2017年06月02日 21時19分27秒



机の上に置かれた絵葉書の向うに広がる青い夜景。
白亜のドームと見渡す限りの光の海。


ドームの前を行き交う車が残した光曳。

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1935年にオープンした、ロサンゼルスのグリフィス天文台
ご覧のように都市の真ん中にある天文台ですから、星を眺めるには不適で、「天文台」とは名乗っていても、ここはプラネタリウムがメインの観光天文台です。

それにしても、この夢のような光景を見ると、「夜空の星も美しいが、地上の星もまた美しい」と、単純素朴に思います。

この絵葉書、ごく最近の景色のようにも見えますが、実際には1950年代のものですから、同時代の日本のことを振り返ると、当時のアメリカが世界に見せつけた、圧倒的な豊かさを感じないわけにはいきません。

   ★

言うまでもなく、「アメリカの夢」には、多くの光と影がありました。
今、「夢醒めてのち」、「宴のあと」を生きる人々の心情を思いやると、そこにはまたいろいろな感慨が浮かびます。

―それでも、やっぱりこれは美しい光景に違いないと、再度絵葉書を見て思います。