冬至 ― 2020年12月21日 06時51分31秒
(地球の年周運動と四季の図。A. Keith Johnston(著)『School Atlas of Astronomy』1855より)
今日は冬至。
24時間太陽の姿が見えない「黒夜」エリアが極大となり、北極圏全体を覆う日です。
上は既出かもしれませんが、アラスカ中部の町・フェアバンクスを写した1940年代頃の絵葉書。撮影日はちょうど12月21日です。フェアバンクスは北緯65度で、北極圏からちょっと外れているおかげで、冬至でもわずかに太陽が顔をのぞかせています。とはいえ、何とはかなげな太陽でしょうか。
上の写真は、20分ごとにシャッターを開けて、太陽の位置を記録しています。左端が午前10時45分で日の出の直後、右端が午後1時15分で日没直前の太陽です。昼間はこれで全部。あとの20時間以上、同地の人は長い夜を過ごすことになります。
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程度の差こそあれ、日本でも事情は同じです。
冬至の日は太陽高度が最も低く、日の出から日没まで、太陽が地平線にいちばん近いカーブを描く日です。
言い換えれば、真昼の影がいちばん長い日でもあります。
冬至の正午、身長160cmの人は背丈よりずっと長い256cmの影を引きずっている計算で、太陽の低さが実感されます(他方、夏至ともなれば頭上からぎらつく太陽で、その影はわずかに34cmです)。
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この事実は昔の人も注目していて、基準となる棒を地面に立てて、その影の長さを測ることで季節の変化を知り、時の推移を知った…というところから、日時計も生まれたと言います。この棒を古来「表(ひょう)」または「土圭(とけい)」と呼びました。
考えてみると、「時計」という言葉は、音読みすれば「じけい」となるはずで、「とけい」だと「重箱よみ」になってしまいます(正確には「湯桶(ゆとう)よみ」かも)。でも、「時計」という字は、もともと「土圭」の当て字らしく、身近なところにも、いろいろ古代の天文学の名残はあるものです。
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ちょっと視点を変えれば、南半球では今日が夏至。
そして南極圏では、太陽の沈まぬ白夜が広がっています。
(上図拡大)
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