黒い星図…ゴールドバッハ『最新星図帳』(1)2014年11月11日 07時11分17秒

アルビレオ出版の偉業のつづき。

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ゴールドバッハの星図を、最初本で見たとき、思わず引き込まれました。
私は「黒地に白」の星図がなぜか好きで、ゴールドバッハは、その理想形のように感じたからです。(2006年1月、このブログの最初の記事が、ダンキンの『真夜中の空』だったことを思い出します。http://mononoke.asablo.jp/blog/2006/01/23/223693
ですから、復刻版ではあれ、その全体を手元に置けると知ったときは、本当に小躍りする程嬉しかったです。


クリスチャン・ゴールドバッハ、『最新星図帳』(1799)
(Christian Friedrich Goldbach , Neuster Himmels-Atlas, Weimar, 1799)

25×30cmの横長の本です。ちょうどA4を横にして、それを幅広にしたサイズですから、ドッペルマイヤーの星図に比べると、ずっとコンパクトですが、その存在感は決して劣るものではありません。

ちなみに、クリスチャン・ゴールドバッハというと、「ゴールドバッハ予想」(2より大きい偶数は、すべて2つの素数の和として表わせる)で知られる、ドイツの数学者がいますが(生没は1690-1764)、その人とは別です。星図作者の方は、1763年に生まれ、1811年になくなったドイツの天文学者で、モスクワで教鞭をとった人。

以下、その中身を見ていきますが、まずは版元のサイトから拝借した、下の画像をご覧ください。


天文フェアの会場で、オリジナル(下)と復刻版(上)を並べて展示しているところです。
「どうだ、区別が付くか?」という、ユリウス氏のドヤ顔が思い浮かぶではありませんか。

(この項つづく)