黒い星図…ゴールドバッハ『最新星図帳』(3)2014年11月13日 07時03分09秒

この星図帳の大きな特徴は、黒字に白く星が抜いてあること。
そして、同一エリアの星図がペアになって、左右見開きに配置してあることです。

たとえば、しし座周辺図で言うと…


これが左側。
夜空にリアルな星を見るように、星座絵も経緯線も文字もすべて省略されています。


そして、これが右側。
漆黒の世界に白く浮かび上がる星座絵。左右それぞれに美しさが感じられます。
ゴールドバッハの星図帳には、こうした星図が26対52枚含まれます(それ以外に「白地に黒」の普通の広域星図が4枚入っています)。


欄外の凡例。
8等級までの恒星と星雲(今でいう星雲・星団・系外銀河の総称)が表現されているといいますが、実際のところはどうなのでしょう。
しし座の主星・レグルス周辺領域を、8.5等級まで表示した現代の星図(Tirion & Sinnott, 『SKY ATLAS 2000.0』)と比べてみます。

(ゴールドバッハ)

(SKY ATLAS をスキャンしてネガポジ反転)

星図として見た場合、その製版の正確さにおいて、ちょっとキビシイ部分はありますが、微かな星まで彫りこもうとした意欲は伝わってきます。

(復刻版としての完成度という点に話を戻して、この話題、もう1回だけつづけます)