ガラスの宝石2015年10月18日 10時36分20秒

チェコからの連想で話題を続けます。

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チェコは「ボヘミアガラス」の名で知られるガラス工芸の本場です。
あの驚異王・ルドルフ2世も、大いにその保護奨励に努め、諸国から様々な技法を摂取・咀嚼した末に、独自の地歩を固め今に至っている…というのは、聞きかじりの知識ですが、何にせよガラスづくりはチェコの一大産業。

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それにちなんで、以前から欲しいと思っているものがあります。
それはガラスの鉱物結晶ないし宝石セットです。

実例は以下のページ。

■Early Crystal Models: Colored glass models
 (The Virtual Museum of the History of Mineralogy) 


あるいは、同じく以下の品。


前者は製造地不詳ですが、後者はおそらくチェコ製と推測され(前者もチェコっぽい感じがします)、いずれも20世紀前半以前にさかのぼる品です。さらに、同時代のチェコで作られたガラスの宝石セットの優品は、以下のページでも紹介されています。

■Gemstone models and specimens from Czechoslovakia
 (Pala Minerals:Mineral and Mineralogy News)


この「ズラッと感」がいいし、いずれもモノとしての存在感に満ちています。

単純にきれいということもありますが、でもこれが本物の宝石だったら、たぶんこれほど気にはならないでしょう。本物の宝石はいらないが、ガラスの宝石ならほしい…というのは、一体どういう心理作用であるのか?

単に貧乏性で、ガラスの方が性に合うということかもしれません。
あるいはそれ以上に、天然のモノを写す<手わざ>に惹かれる心があるのかもしれません。生の自然ももちろんいいですが、その写しである星図や天球儀、博物画や理科模型に強く惹かれる心性が、私の中には確かにあります。それは理科室趣味のかなり中核的な要素のような気がします。

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とはいえこのガラスの結晶セット、「貧乏性」どころか、非常にレアかつ高価です。
私が売り物を見たのは、これまでに一度きりで、それはいくつものピースが欠けた不完全品でしたが、それでも2千何百ドルかの値がついていました(そして間を置かず売れて行きました)。

まあ、世間には掘出し物がなくもないので、いつかは…という希望は捨てていません。