月を賣る店 ― 2026年05月26日 17時53分10秒
前回話題にした「ゼーンズフト(憧憬)」。
その言葉自体は、1800年前後のドイツで盛んに用いられたものかもしれません。でも、その意味合いを知ってみれば、そうした思いを心に抱く人は、21世紀の日本にも少なからずおられることでしょう。
ゼーンズフトの徒による、ゼーンズフトの徒のためのイベント―。
下のイベントは、おそらくそう表現しても、あながち間違いではないでしょう。
■月を賣る店 ―― 月光百貨店10周年記念 稲垣足穂オマージュ展
○会期
2026.5.30 (土) ~ 6.14 (日) 14:00~20:00
※6/1, 4, 9, 12は閉店
○会場
月光百貨店
(兵庫県芦屋市茶屋之町12-2 最寄駅:JR芦屋/阪神芦屋)
○出品作家(敬称略)
イイノチエ、kazeasobi、川島朗、中川ユウヰチ、福本タダシ
星野時環、山本佳世、よこやまぺん、よりそう
○資料提供(同)
小野高裕、戸田勝久、玉青@天文古玩
○公式HP(月光百貨店トップページ)
(詳細はこちら)
足穂を冠したイベントですから、その根幹が足穂その人への思慕の情であるのは当然です。でも、ここで表現されているのは、おそらくそれだけではないでしょう。この会場にたたずむのは、生身の「人間・稲垣足穂」であるよりは、一人ひとりのイメージによって命を吹き込まれた「足穂のファントム」だという気がします。
生身の足穂はひとりきりですが、足穂のファントムは十人十色、まさに変幻自在。そのいずれもが、銘々のゼーンズフトが足穂を核に結晶化した姿ではなかろうか…と、にわかにゼーンズフトづいている者として思います。
なお、私もチラッと資料提供者として名を連ねています。
おこがましい限りですが、私自身の足穂イメージをシガレットケースに詰め込んだ「タルホの匣(はこ)」を、今回会場に置かせていただくことにしました。オブジェ好きだった足穂への私なりのオマージュです。
まあ、足穂のファントムがさまざまであるように、足穂ファンの数だけタルホの匣もあり得ます。この小さな匣が、そのための呼び水になれば望外の幸せです。



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