クラウド・コレクターの肖像 ― 2026年06月23日 05時46分06秒
『雲の「発明」』(扶桑社、2007)は、だいぶ前に買ったのが、そのまま積ん読本の山の中に置かれていました。そもそもこの本を買ったのは、当時ルーク・ハワードに関心が向いていたからですが、しかし関心があっても、本というのはタイミングが合わないと、なかなか読めないものです。今回はちょうどよいタイミングでした。
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やっぱりその頃買ったのが、一昨日の「黒いもの」の正体です。
といって、別に奇をてらったものではなくて、中身はハワードの肖像を鋳込んだメダルです。ルーク・ハワードを身近に感じたくて、彼にちなむものを探していて見つけました。
このメダルは、1850年創設の英国王立気象学会が、創立50周年を記念して公式に発行したものです。
1864年没のハワードは、当時すでに鬼籍に入っていましたが、学会創設の折にはまだまだ達者でしたから、そこに彼の体温をほのかに感じます。そして、創立50年という節目に顕彰されるだけの価値を有する人物と見なされていたという点に、彼の功績の大きさを改めて実感します。
本の表紙と比べると、メダルの方が年齢を重ねた肖像のように見えます。
彼が雲の分類を最初に公にしたのは1802年、ちょうど30歳のときで、その後九十過ぎまで長寿を保ったので、容貌にもいろいろ変化があったことでしょう。
このメダルを鋳造したのは、英国王室御用達をつとめたワイオン工房で、別に御用達だからエライというわけではないにしろ、それだけ力こぶの入ったメダルですから、やっぱり貴重なものと言ってよいでしょう。
稀代のクラウド・コレクター、ルーク・ハワード。
思うに彼は、イギリスの王様以上に「雲上人」と呼ばれる資格があるんじゃないでしょうか。





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