試論・「星空のカッコよさ」2009年04月13日 19時31分52秒

(↑SBODさん提供画像を拝借しました)

皆さんは、3月15日付けの記事に今日寄せられた、香港のSBODさんのコメントを読まれましたか?(http://mononoke.asablo.jp/blog/2009/03/15/4183048#c4242903
SBODさんから教えてもらった一連の天文イメージ。いいですね!まさにクール。

ところで、SBODさんはコメントで「あなたはこの種のイメージに興味がおありでしょう?」と書かれていました。然り。しかし、「この種のイメージ」という漠然とした表現で、スッと分かるところが実に不思議です。SBODさんも、私も、そしてこれを見て「いいね!」と思われる多くの方も、「この種のイメージ」として括られる、ある種の概念を共有しているわけです。

星空の美しさを、古人は詩にうたいました。
今の人は美しさと同時に、「カッコよさ」を星に感じますね。
SBODさん提供のイメージは、「星空のカッコよさ」をいろいろな形で表現したもの…と、一応まとめることができそうです。20世紀は、いろいろなメディアが「星空のカッコよさ」のイメージを、競って再生産し続けた時代だったと思います。

そもそも、「星空のカッコよさ」とは、いったい何なのでしょう?
一連のイメージを見て、皆さんはどんな語を連想されますか?

ロマンス、科学、冒険、ときめき、ワクワク、知性、進歩、清新、機械、無限、涼やかさ、直線的、無機的、グラフィカル、闇、光、透明、青、きらめき、触れ合い、温もり、静けさ、懐かしさ、子ども時代、憧れ、夢…

中には一見対立するイメージもありますね。それだけ「カッコよさ」に厚みがある証拠でしょう。

今ふと思ったのは、「子ども時代」というキーワードが意外に重要かもしれないぞ…ということ。子ども時代は、星空に限らず、この世がすべて夢と憧れ(と不安)に満ちてはいなかったでしょうか?

宇宙への憧れが熱く語られる時代(20世紀もその1つ)というのは、いわば個人における幼年期のような、人類の精神史における急速な<変化と膨張の時代>だったのかもしれません。そうした時代には、(宇宙そのものは常に変らないのに)星空が急に生き生きと、夢と憧れに満ちた世界として立ち現れてくるのではないでしょうか。

    ★

……うーむ、まだうまく論じ切れてない気がします。

20世紀前半の図像を見るときに我々が感じる「カッコよさ」と、同時代の人が感じていたカッコよさとは、ずれている部分があって、その辺の整理も必要でしょうし、長々と書いたわりに何ですが、この件は宿題にしましょう。