雑誌『シリウス』のこと(1) ― 2025年10月07日 21時50分22秒
今回の調べごとの副産物として、実はファルプは知らぬ間に私の部屋にも入り込んでいたことを知りました。
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前回参照したwikipediaの記述には、ファルプは1868年、大衆向け天文雑誌『シリウス』を創刊した人であることが書かれていて、「なるほど、そうだったのか」と膝を打ちました。『シリウス』は、その種の天文雑誌としては最初期のものですから、ファルプは天文趣味史においても、重要な位置を占めていることになります。
『シリウス』は、以前サンプルとして入手したものが、4冊だけ手元にあります。
同誌は年によって月刊だったり、月2回刊だったりしますが、それを1年分まとめて、ハードカバーで製本したものです。手元にあるのは1871、1877、1878、1902の各年分で、元の所蔵先がバラバラなので、装丁も不統一です。
(タイトルページに見えるファルプの名)
昔も今もビジュアルに訴えかけることが、大衆向け雑誌の肝でしょう。各巻はいずれも美しいカラー図版を含み、眺めるだけでも楽しいです(というか、ドイツ語なので眺めるしかできませんが)。
(1902年の巻には、雑誌の元表紙も綴じ込まれていました。雑誌の常として、表紙デザインは時代とともに変わったでしょうが、少なくとも1902年当時は、こういう衣装をまとって、読者の手元に届いたはずです)
前回はファルプを一代の奇人と呼んだので、あるいは『シリウス』も、奇説オンパレードの、“19世紀の『ムー』”みたいなものを想像されるかもしれませんが、決してそんなことはありません。これまた中身を読んでないので断言はできませんけれど、内容は至極まっとうなものと見受けられます。
その中身を少し覗いてみます。
(この項つづく)
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