もうひとつの世界 ― 2011年06月12日 18時01分39秒
今日は明るい曇日で、涼しい風も吹いていたので、ゆっくり昼寝をしました。
体の奥にあった疲れが大分取れました。
体の奥にあった疲れが大分取れました。
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さて、エッシャー・シリーズが何となく続きますが、彼が1947年に発表した、「もうひとつの世界」という作品があります。
下は、前掲 『ゲーデル、エッシャー、バッハ』 に掲載の図。
(さらに大きなサイズの原画はこちら [link] )
本の中では、禅(とゲーデルとの関連)について考察する章に登場するのですが、前後を拾い読みしただけでは、著者ホフスタッターの真意も、エッシャーの創作意図も、まったく分かりません。ただ、次のような一節があって、ここだけは辛うじて分かりました。
本の中では、禅(とゲーデルとの関連)について考察する章に登場するのですが、前後を拾い読みしただけでは、著者ホフスタッターの真意も、エッシャーの創作意図も、まったく分かりません。ただ、次のような一節があって、ここだけは辛うじて分かりました。
「エッシャーはまた『もうひとつの世界』〔…〕のように、矛盾した画像を作り上げるのを楽しんでいた。これらの絵画は、禅が実在性と非実在性を弄ぶのと同じように、実在性と非実在性を弄んでいる。エッシャーをまじめに受け止めるべきだろうか? 禅をまじめに受け止めるべきだろうか?」
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上下左右のねじれた空間(あるいは併存する異空間)の中心で羽を休める人面鳥。「窓」の外には、月面のような光景と、漆黒の宇宙空間が、互に重なり合いながら無限に広がっています。
「では、この絵を見ているキミは、はたしてどこにいるのか?」
怪鳥は、謎めいた笑みを浮かべて、我々にそう問いかけているようです。
その答を知るために、この絵の「中」に我々を連れて行ってくれるのが、このステレオ・ビュアー。
Courtesy Graphics(http://www.courtesy.nl/)というオランダの会社が「The Amazing Card」 という商品名で売り出しているシリーズの1つで、これまたどこのミュージアム・ショップでも、最近では定番になっているので、ご覧になる機会は多いでしょう。
このエッシャー版もなかなかよく出来ていて、この矛盾した、あり得ない視角を臨場感たっぷりに見せてくれます。
この窓をそっと覗けば、
そこには、もうひとつの世界が!
(※怪鳥に対する私の答は、コメント欄に書いておきます。)
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