写された明治の星空 ― 2012年03月21日 20時58分32秒
例によって、続き物の記事の合間に、ほかの話題がはさまります。
今回は三鷹発のビッグニュース。
今回は三鷹発のビッグニュース。
「国立天文台では、平成20年4月に天文情報センターの中にアーカイブ室を発足させ〔…〕このアーカイブ室の活動の一環として、約2万枚と想定される段ボールに収められた古い乾板の整理を続けてきました。その過程で、19世紀末から20世紀初めにかけて、麻布で観測していた時代に撮影されたと思われる星野写真乾板を、全部で437枚、発見しました。」
記事全文は以下。

おお!!!と思いました。
明治の昔、東京天文台(現・国立天文台)が三鷹に移転する以前、まだ麻布にあった頃に撮影され写真乾板が大量に出てきたというのですから、本当に驚きです。
確認された中で、最も古い画像は1899年(明治32)に撮影されたもので、撮影には現在上野の国立科学博物館(日本館)に鎮座している「トロートン望遠鏡」に同架した「ブラッシャー天体写真儀」を使用したそうです。
以前トロートン望遠鏡の歴史に関してまとめた下の表(我ながら労作)によれば、1896年から97年(明治29~30)にかけて、麻布の天文台に撮影用の機材と撮影室が整備されてから、あまり間をおかずに撮影したものが今回ゴッソリ出てきたわけで、これは日本天文学史上、特筆大書すべき「事件」だと思います。
震災と戦災を被った東京天文台には、古い資料はほとんど残っていないと思っていたのですが、いや、あるところにはあるものですね。
資料を守りぬいた先人の苦労にも、深く感謝したいと思います。
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