天文古玩の世界への招待(3)…オーラリー、天球儀2006年01月30日 20時50分48秒

 何世紀にもわたって、学校ではオーラリーと天球儀が、宇宙について生徒達に教えるのに使われてきた。オーラリーとは、太陽と地球と月―他の惑星を含むこともある―の動く模型であり、操作者がハンドルを回すことによって、地球が回転しながら太陽の周りを回る様子を示すことができる。この装置の名は、第4代オーラリー伯チャールズ・ボイルちなむもので、彼はジョン・ローリーが1712年に彼のために作った太陽系の機械モデルを所有していた。

 オーラリーを使うことで、地球と月の動きを示したり、月の満ち欠けや日食、それに季節の変化を説明したりすることができる。オーラリーは今でもTrippensee社(ニューヨーク州バッファロー)で製作されており、これは全ての理科室が備えてしかるべきものである。

 天球儀は19世紀において一般的な教具であったが、その現代版はSky Publishing社から購入することができる。天球儀では、地球が天球儀の内部にあり、見る人は宇宙の外に立って、星の配列を背後から見ているかのように、ふつう星座が裏返しに描かれている。18~19世紀の天球儀やオーラリーは非常に稀であり、それこそ天文学的値段で売られているが、20世紀前半のものであれば、いくらかリーズナブルな価格である。

 古い科学機器の図版をたっぷり収めた、次の2冊の本は、amazon.comからすぐにも入手できる、情報の宝庫だ。1冊は、スティーブンソン、ボルト、フリードマン編『ベールを脱いだ宇宙―器械・図像通史』("The Universe Unveiled: Instruments and Images Through History" edited by Stephenson, Bolt, and Friedman)、もう1冊はターナー著『科学器械入門―1500年から1900年まで』("Scientific Instruments 1500-1900: An Introduction" by Turner)である。

(この項続く)
(写真はイメージです。)

コメント

_ 若葉 ― 2009年12月12日 22時45分14秒

オーラリーいいですね
お手ごろな価格だったらほしいんですよ!
なるべく精巧なので

_ 玉青 ― 2009年12月16日 07時08分17秒

○若葉さま

コメントありがとうございました。
お返事が遅くなり、申し訳ありません。

さて、オーラリー。
単に惑星の動きをシミュレートするだけなら、コンピュータソフトでもいいのでしょうが、オーラリーの魅力は、宇宙という壮大な対象を、ギアと歯車の精巧な、そして愛らしいカラクリ細工で再現しているところにあると感じます。古風な真鍮の輝きもいいですね。

私もクラシックなオーラリーが欲しいと思いつつ、依然として価格の壁に阻まれています。上の記事の写真は、適当に本からスキャンしたものですが、いつの日かこんなのを手元に置いて、くるくるクランクを回してみたいものです。(うーん、想像しただけでたまらない。)

オーラリーについては、また書く機会を作ろうと思います。

_ たつき ― 2011年04月23日 22時22分26秒

オーラリーは私もすごく欲しいです。骨董でなくていいのですが、某シリーズのようなプラスチックではなく金属製のもので、歯車できちんと動くものが欲しいです。無理なら天球儀でも可。とすると、やはり海外になるのでしょうか。そこのところ、御存知ならば教えてください。
ちなみに、息子さんがいないのにはなれたでしょうか。

_ 玉青 ― 2011年04月24日 17時29分17秒

また一人、オーラリー好きを発見(笑)。
オーラリーと天球儀については、後続の記事で取り上げる予定ですので、今しばらくお待ちください。

ときに「某シリーズ」とは何でしょうね?例のデアゴスティーニのオーラリーに関して言うと、今では飽きてしまった人がオークションに放出する例が多く、eBayを見ると組立済みの品が半額ぐらいで売られていますね。

>息子さんがいないのにはなれたでしょうか。

ありがとうございます。
どうやら彼も頑張っているようです。父も負けてはおられんゾ…と、気持ちを奮い立たせていますが、でもなかなか気が揉めますね。

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