Beautiful Books on Astronomy … レイノルズ『天文学および地理学図集』⑪2006年12月16日 13時46分41秒

「気象学図解―さまざまな大気現象(Diagram of meteorology: Displaying the various phenomena of the atomosphere)」と題したカラフルな図。
(スキャナーの加減か、細かい横縞が写りこんでいますが、原版はもっときれいです。)

この本の書名が『…地理学図集』となっているのは、宇宙の光景だけでなく、こうした地球上の現象も収められているからなのでしょう。

取り上げられているのはかなり雑多な内容で、雨、稲妻、霧、雲、竜巻、嵐、万年雪、蜃気楼、虹、幻日、暈(ハロ)、流星、黄道光などが1枚の絵に詰め込まれています。

気象学と言いながら、黄道光(地球軌道付近に広がる惑星間塵に太陽光が反射して見える現象)のように、純然たる天文現象が入っているのは、奇異な感じを受けますが、しかし、裏面の解説文を読むと

「この現象は、水星やときには金星の軌道をも越えて広がる、太陽を取り巻く大気の断面だとされてきたが、現在、天文学者の間でもこの件については大いに意見が分かれている」

とあって、当時は多分に謎めいた現象だったことが分かります。