Beautiful Books on Astronomy … レイノルズ『天文学および地理学図集』⑥2006年12月05日 23時43分15秒

さて、この奇怪な図版がお分かりでしょうか。

表題には 「COMETS AND AEROLITES 彗星と隕石」 とあります。

中央は彗星軌道の説明図で、その周囲に浮かぶ奇妙な物体は、過去に観測された彗星図。中にはプランクトンや一反木綿のようなものもあります。下の方に飛んでいる妖怪じみた連中は、一応 「古人の筆になるもの」 と断り書きがしてありますが、 「恐らくはイマジネーションの産物であろう…」 と疑ってかかっている気配は微塵もありません。

説明書きを読むと 「彗星は軽い気体状の物体である。通常ぼんやりと輝く雲のような光の集合体である“頭”と、そこから発する“尾”と呼ばれる長い光の流れからできている」 とあり、彗星の正体自体まだ謎…それこそ妖怪じみていた時代であったことを、改めて知ります。

両脇下に小さく描かれているのは 「Shower of Aerolites 隕石雨」。今なら 「流星雨」 と呼ぶところですが、隕石と流星もまだ混同されています(その区別が明快になったのは20世紀もだいぶ後のことですが)。

それにしても奇っ怪な彗星たちよ…。