戦前の理科室の扉を開く…ひっそりと液体に沈んで2007年05月21日 23時09分47秒


今日は1920年代のものと推定される(どこにも年記がありません)、ドイツの生物教材カタログからとった、「液浸標本の図」です。時代的に、カラー印刷の技法は、すでに3色網点の機械印刷に移行しています。

むうぅ…懐かしいといえば懐かしい。そんな微笑ましい顔つきで見ているだけでいいのかどうか、ちょっと迷いますが、とりあえず理科室といえば、こんな感じですね。

私が理科室の驚異に目をみはった70年代から、更に半世紀遡っても、理科室はやっぱり同じような雰囲気であったわけで、理科室の歴史の厚味を再認識します。

ただ、仔細に見ると容器がちょっと特殊。おなじみの円柱型ではなく、角柱型の容器を採用しています。昨日のアメリカのメーカーのカタログでは、円柱型の標本壜を使っているので、これはドイツ特有のものかもしれません。ガラス越しに見る際に像の歪みが小さいので、確かに観察の目的には適っています。