ガリレオの住む世界をノックする(中編)…ちいさな古星図2010年11月17日 19時36分49秒

はやぶさ、本当によかったですね。
100点満点で500点! 人生の中でこう言える機会は滅多にないと思いますが、それに十分値する成果を上げたのは、手放しで素晴らしい。分析の結果が重ねて実り豊かでありますように。

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(前回の続き)

前回は、思わせぶりな書き方をしましたが、別に何か“ひらめいた!”わけではありません。本の切れ端=ペラペラの紙ならば、ガリレオ時代のものでも、そうベラ棒な値段でなしに流通している事実に、ある日ふと気が付いて、「こういうとき、頼りになるのはやっぱり紙モノだ」と改めて思ったのでした。

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下は、1609年にアムステルダムで出版された世界地図帳、『 Hand-boeck, Cort begrip der caerten 』から取った一葉。手彩色の南北天球図です。シートサイズは18×12cmという、新書版よりも一回り大きいぐらいの豆星図。


ガリレオが望遠鏡を宇宙に向けた年、こんな古拙な味わいの、かわいい星座図が、オランダで刷られていたんですね。近代のあけぼのというよりは、むしろ中世そのままといった雰囲気。



オランダ語の表題を持ったこの地図帳は、当然中身(地図の裏面が解説になっています)も、全てオランダ語ですが、この本にはラテン語の元版があります。そのあたりの書誌的事項を書くと長くなるので、ここで記事を割ります。


ともあれ、こうして「ガリレオと同時代の天文アイテムを手に入れる」という目的は、ささやかな紙モノを通じて達成され、小市民的収集の妙味が大いに発揮されたのでした…(我ながらイジマシイですね)。

(この項つづく)