タルホ2007年10月28日 20時00分25秒

土日に片付けるはずだった仕事がまだ終わりません。
そのため、明日から2,3日記事の方は休載にします。

 ★

ところで、先週の木曜日(10月25日)はタルホ忌でした。
このブログでも記事をパスしてしまいましたが、世間でも没後30周年だというのに、今ひとつ盛り上がりに欠けましたね。出版界では、青土社が没後三十周年記念と銘打って、『足穂拾遺物語』を出したのが、やや目立ったぐらいでしょうか。

以前 ― はや4年にもなりますが ― 松岡正剛さんが、ネット書評「千夜千冊」で、

「最近はタルホを読まない世代というか、稲垣足穂の名前すら知らない連中ばかりがまわりに多くて、いちいち説明するのが面倒になってきた。ふん、もう教えてやらないぞ。自分で辿れ!」

と憤慨されていましたが(http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0879.html)、今しばらくはタルホも世間から潜行した状態が続きそうです。まあ、松岡氏自身があおりにあおったタルホブームの反動も、少なからずあるのでしょうが…。

 ★★

写真は、足穂の名作 『一千一秒物語』(初版1923)を、たむらしげる氏が絵本化したもの。最初リブロポートから出て、後にブッキングから復刊されました。

復刊に際して、たむら氏は、

「原本の出版当時、画像はRGBでデータからの出力は難しく、カラープリントを原画にして絵本を作りました。原本の出版から10年近く経ってやっと本来のクリアーな画像をデータからそのまま絵本にすることができました。」

と述べています(http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=4187)。復刊の方が原本よりも、更にオリジナルな存在という捩じれ具合がタルホっぽいですね。

「何の不思議もないこと。森羅万象は情報であり、これ即ち色即是空、空即是色…」と、タルホなら平然と言ってのけるかもしれませんが。

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