星明かりの水の塔 ― 2017年07月25日 22時40分14秒
ハンブルグ・プラネタリウムのつづき。
日盛りに立つ孤愁のプラネタリウムが、夜になると何やら華やぎに満ちてきます。
夜はやっぱり夢と幻の世界だから…でしょうか。
まあ、これだけ星がまばゆければ、プラネタリウムは不要な気もしますが、生の星空の魅力と、プラネタリウムの魅力は、やっぱりちょっと違うのかもしれません。あたかも海辺のホテルにプールがあるが如し。
上の紙片は、ハンブルグ・プラネタリウムの宣伝チラシで、裏面はその案内になっています。
プラネタリウムがもたらす星の知識。小一時間で巡る星界の旅。
望遠鏡とカメラが解き明かす大宇宙の神秘。
世界に誇るツァイス社の驚異の新技術…!
そんな煽り文句に続けて、ハンブルグ・プラネタリウムには、星に捧げられた学問と信仰の歴史をめぐる、貴重な文化財が所蔵されていることを太字で特筆しています。
その文化財とは、高名な美術史家・文化史家である、アビ・ヴァールブルク(Aby Moritz Warburg、1866-1929)の収集にかかる、天文学と占星術に関する貴重書コレクションのことで、ヴァールブルクの没後、オープン間近のプラネタリウムに寄贈されたものの由。そのこと自体「へえ」と思いますが、それがナチス台頭後も散佚せず残されたことは、いっそう喜ぶべきことです。
ともあれ、ここは星の世界と人間世界の関わりについて、いろいろなことを考えさせる場所です。
コメント
_ S.U ― 2017年07月26日 07時39分45秒
ハンブルクは、大市街地と港湾とゆたかに広がる郊外を併せ持った土地ですが、このプラネタリウムはけっこう中心部から離れたところにありますね。プラネタリウムなら市街地に建てる方がよいのでしょうが、これは元が給水塔だったことから、水文学的考察によって今でもけっこう星が見えるであろうような郊外になったのだと想像します。(でも、空港に近く飛行機が多いので、本当の星空の観望には向いていないかもしれません)
_ 玉青 ― 2017年07月29日 13時01分28秒
まさに天文と水文のあざなえる地…ですね。
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