螺旋塔2021年03月17日 06時20分08秒

前回の杉の苗が入っていた壜は、サイズがちょうど好かったので、今ではこうして巻貝を入れて、棚に並べています。(ひっくり返した管壜が、細長い円筒ドームの役を果たしてくれます。)

(タケノコガイの仲間/ベニタケ?)

今さらながら、貝殻というのは不思議な形をしています。かつまた精妙です。
こんな形の尖塔を思い浮かべ、さらにその真下に立って、遥かなてっぺんを見上げている自分を想像すると、なんだかゾクゾクしてきます。

何でこんなものが天然自然にできるのか?


人の手によって生み出されたものと比べても、その完成度は頭抜けています。「人工」に対し「天工」という言葉がありますが、まさにそれです。

貝類の視覚は貧弱なので、自らの形を目で見て認識することはできないし、それを「美しい」とも思わないでしょう。その意味で、貝殻の美しさは、人間の頭の中だけにあるものです。

しかし、人間に美しさを感じさせる、その「形象の秩序」は、貝の成長様式の反映ですから、やっぱり貝の側に属しているはずで、命の営みが目に見える形を成していることが、人間の心を動かすのだと思います。

   ★

貝つながりで言うと、「潮干狩り」は晩春の季語。これからがシーズン本番。
タケノコ狩りも同じ時期ですが、こちらは初夏の季語だそうで、俳句の季節感はなかなか細やかです。