十月、神送り2021年10月01日 18時41分29秒

岸田氏が新総裁となり、その後の人事を見るにつけ、大方の予想が当たったというか、予想をさらに上回る活躍ぶりで、大いに瞠目しています。

岸田氏の得意技は人の話を聞くことだと、ご本人が仰っていましたが、まさにその言葉に偽りなし。これほどまでに、「あの人たち」の話をやすやすと聞き入れて、人事を差配されたのは見事というほかありません。実のところ、私はもう少し違った光景を想像していたので、己の不明を大いに恥じています。

岸田氏を安倍氏の傀儡などという人もいますが、それは失礼な言い方で、岸田氏は傀儡などという安っぽいものではなくて、まさに安倍氏が降りてきた状態、安倍氏その人と言ってもよく、これぞ入神の境地と呼ぶべきでしょう。

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…というようなことを書いて、しばし溜飲を下げようとしましたが、「いや、待てよ」と思い直しました。いくら何でもここまで露骨なことをして、国民が承知するとは、よもや岸田氏も思ってはいないでしょうし、そうなるとこれは政道を正さんがために、「自民党をぶっ壊す」ことも辞さないという、岸田氏の機略であり、乾坤一擲の大一番ではありますまいか?

まあだとしても、今や自民党がぶっ壊れるのが先か、日本がぶっ壊れるかのが先かの瀬戸際ですから、これは相当な賭けには違いありません。

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帰る道々見上げた茜色の空。


いよいよ神無き月の始まりですが、下界はいったいどうなることか。
出雲では、きっとそのことも話題になっているでしょう。

コメント

_ S.U ― 2021年10月02日 11時07分21秒

「傀儡」というのは、操り人形のことですね。
ご本人からいうと、「操られ人形」でしょう。

 傀儡の見分け方ですが、実行力があってスピード感がある傀儡というのはあり得るのでしょうか。そういうのがないならば、すくなくとも実行力とスピード感があれば傀儡ではないということになります。

 この「スピード感」というのも妙な表現です。「スピード感」なら心理的な効果(錯覚、心理トリックを使った)ということになるので、「スピード」でないといけないと思います。

 とにかく、今国民が求めているのは、景気回復の実行力でありスピードだと思います。どうなりますか・・・

_ 玉青 ― 2021年10月02日 21時06分13秒

傀儡政権というのは、傍からみると操り人形以外の何物でもないんですが、傀儡側からするとその意識は薄くて、自分のほうこそ巨悪の力をうまく利用してやろう、操っているのはむしろ自分の方だ…ぐらいに思っていることが多いかもしれません。(大戦中の汪兆銘政権はそうだったと思います。)

そういう意味では、傀儡にも有能な人はいますから、実行力とスピード感を備えた傀儡はありうると思います。要は巨悪の意向に反しなければ、何でも許されているので、そういう制約の中で実行力とスピード感を発揮する場合も中にはあるでしょう。

岸田さんなんかはそのイメージでしたけど、こうも最初から馬脚を現すようでは先が思いやられます。やっぱり彼はどこまで行っても悲しいマリオネットであり、滑稽な道化だと言わざるを得ません。

(もちろん必要なのは「スピード」そのものですが、人心をつなぎとめるには演出とアピールも重要ですから、政治家としては「スピード感」を醸し出すこともスキルの一つなのでしょう。)

_ S.U ― 2021年10月03日 08時41分05秒

なるほど。分析ありがとうございます。
 
 自覚のある傀儡と無い傀儡で区別するべきなのですね。自覚があれば、いちいち上の評価が必要なのでスピード感がないことになるのかと思いますが、特殊な才覚か自信過剰があればそうとも限らないかもしれませんね。

 「スピード『感』」はスキルとしては有用でしょうが、それを「スピード感を持ってやります」と国民に言ってしまったら魂胆をさらけ出しているようなもので、やはりおかしいと思います(笑)。

_ 玉青 ― 2021年10月03日 09時37分43秒

あはは。確かに自分で言っちゃダメですね。

_ S.U ― 2021年10月04日 07時35分41秒

関連して、岸田新総裁への苦言になりますが、岸田氏は、総裁選の前後に「国民が分断されているので協調に向かわせたい」という意味の発言をしています。わたしから見ると、これは大いに疑問です。
 
 国民は分断されていません。ネットでコミュニケーションをとっていますし、国民間には多くの合意が得られており、コロナの自粛への協力も立場を越えて浸透しており、それでも残る違いは個人の多様性としてむしろ推奨されるものと思います。仮に分断があるとすると、世間で有名なのは、経済格差とか上級国民とか、緊急事態宣言で一部の営業に制限をかける一方でオリンピックを強行するとか、そのすべては政府の引き起こしたことか行政庁の監督不行届によるものといえるでしょう。また、宴会、会食ができないのでコミュニケーションで困っているとしたら、それはいちばんに与党政治家でしょう。岸田氏の言う「分断」というのは自公前政権までの責任に負うところほとんどとしか考えられません。それは岸田氏の言葉を聞いた国民の多くがちょっと考えればただちに考えつくところではないかと思います。

 それをのうのうと「分断されているので正す」と言えるのですから、岸田氏は自覚症状のない傀儡ではないかと推定します。

_ 玉青 ― 2021年10月05日 05時49分39秒

然り。国民の間に分断があるとすれば、その分断を作ったのは安倍氏その人です。
分断と聞くと、安倍氏の名言「こんな人たち」を思い出すんですが、安倍氏とその取り巻きは、自分たちの求心力を高めるために、国の内外に積極的に「敵」を作り、憎悪をあおり、気に食わない人々を追い落とすために、ネット工作やマスコミ工作に相当お金を使ったと聞きます。さらに安倍氏の場合は、分断に加え「聾断」にも余念がなく、その利益にあずかる人とそうでない人との間に深い溝を作り出しました。本当に罪深い人です。

ひるがえって岸田氏は、そんな分断政治を前にいったい何をしていたのか、何もしていないじやないかと思います。そして、今また安倍氏の軍門にくだり、安倍氏を頭にいただいて、今さら分断の解消だなんて、片腹痛い限りです。本当に分断の解消を図る気があるなら、その前にやることが山ほどあるはずです。

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