星座のスライド(1)2007年03月09日 21時32分02秒

今日は久しぶりに「天文古玩」の名にふさわしい品です。

スライド、というより「幻燈」と書いた方が感じが出ますが、その幻燈の種板です。木製のフレームに手描きのガラス絵がはめこまれています。絵柄はブルー地に浮かぶ繊細な星座絵。(木枠のサイズは16.5 X 10cm)

ロンドンの Newton 社の製品です。ここは先祖は庭師だそうで、あのアイザック・ニュートンとは関係なさそうですが、18世紀後半から100年以上にわたって営業を続けた、地球儀メーカーの老舗。写真の品は、同社がフリート街3番地に店を構え、光学機器も扱っていた1850年代のものです。

19世紀は講演会が非常に盛んな時期で、それ自体が公衆に知識を普及するメディアでしたが、その際の補助手段として幻燈は欠かせぬ存在でした。もちろん、家庭や学校でも、当時最新のAV機器(?Aはないですね)として、人々の目を楽しませるため大いにもてはやされたようです。

写真の品は、それぞれ大熊座とオリオン座を描いたもので、やはり一般向けの天文講座で用いられたものだと思いますが、透過光で見たその美しい映像はまた明日。(←ちょっと勿体ぶっている)