フィリップス社の星座早見盤 ― 2006年01月26日 00時28分50秒

フィリップス社(ロンドン)は、老舗として今も営業中。
写真の品は当時の定番だったらしく、アンティーク早見盤としては最も頻繁に見るものです。20世紀初頭(~1920年代ぐらい)のものと言われます。
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1月27日追記: …という風に、これまで思い、またそう称する業者もいたのですが、裏面の出版物の案内を改めて調べてみたら、私が持っているのは1950年頃の品と判明。意外に新しいものでした。しかし、もっと古い品があるのも確かで、要するに、同じデザインが何十年も息長く使われ続けたということです。(だから流通量も多い。)
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革を模した型押しの黒紙に金文字、紺地に散る白い星。華やかさと同時に渋みを感じさせるデザインは秀逸です。
古い早見盤は、このように4本の「角」があります。今の早見盤は、星図とカバー(楕円形の窓が開いている)の2層構造ですが、昔の早見盤は、正方形の台紙で円盤をサンドイッチした3層構造でした。正方形の台紙をくりぬいて細工した後に残った四隅が角状に見えているわけです。
フィリップス社の星座早見盤(2) ― 2006年01月26日 19時55分03秒

1つ前の記事で紹介した星座早見に似ていますが、こちらはさらに古いバージョンです。
先日オークションサイトで見つけて購入。
回転板の周囲のフリル飾りがいっそう古風な感じを醸し出しています。先日触れた、ウィットフィールドの『天球図の歴史』の中で、ダンキンの本と並んで載っていた品なので、何となくありがた味というか、あこがれていた品です。
トリビアルな話題で恐縮ですが、前の品にならって裏面の出版案内を元に考証すると、1892年から1905年の間に出た品と分かります。
(裏面には、使用法の説明と、自社の出版案内などが書かれています。)
ちなみに、1896年に出た同社の広告中では、この早見盤が「既に25,000部売れた」と自慢しています。なかなかのヒット商品。
George Philip & Sons は、地図の版元として1834年にリバプールで創業。後、ロンドンに拠点を移しました。
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