秋晴れの一日、サロンへ2012年10月06日 20時08分16秒

前回ご案内した「鉱物アソビの博物サロン」に行ってきました。

地下鉄一社(いっしゃ)の駅から地上に出て、大通りを北に折れ、住宅街のゆるやかな坂道を上っていったところに、北欧アンティークの店「ミュシカ」はあります。
ドアを開けると、いかにも北欧アンティークのお店にふさわしい、素木と白壁を基調とした明るい店内に、今回の主人公である鉱物たちと不思議な品々がゆったりと並び、とても居心地のいい、穏やかな空間が広がっていました。

この「博物サロン」は、「ブックマークナゴヤ」(http://www.bookmark-ngy.com/)という、市内各地の書店・古書店・雑貨店等が参加する、本をテーマとした横断的イベントのサブイベントとなっているせいか、訪れる客層も広く、在廊中のフジイキョウコさんや、ミュシカの店主ご夫妻(絵に描いたような素敵なご夫婦!)と、皆さんいろいろ言葉を交わし、まさにサロン的な愉しいひと時を過ごされているようでした。もちろん、私もその一人です。

会場の写真を撮らせていただくと良かったのですが、カメラを持参しなかったので、本日の購入品から、その雰囲気だけでもしのんでいただければと思います。

   ★


イベントのDM、それと出品者であるミュシカさん&Salon さんのショップカードと並ぶのは、『鉱物見タテ図鑑』から抜け出したような「流星遊星」。
インド産のスコレス沸石を流星に見立て、星図をモチーフとしたオリジナルパッケージに収めた心憎い品です。


題して「鉱物見タテ標本函」。


流星のようにも、ほうき星のようにも見える、不思議な純白の造形。

   ★


ちょっと強引ですが、ミュシカさんの店舗イメージは、あるいはこの品を見ていただくと、よく伝わるかもしれません。質感、カラーデザイン、空間構成…この標本箱には、ミュシカさんのそれと、妙に類似した点が感じられます。北欧由来の品ということで、図らずも共通する造形感覚が現われているせいかもしれません。


5ミリ以下の、小さな、小さな甲虫たち。ここに集められているのは、すべてスウェーデン産のゾウムシ類です。ラベルには産地のみで、採集日の記載がありませんが、全体の雰囲気としては1950年代頃に集められたものでしょうか。


ガラス蓋を外したところ。やや黄変し、生成り色になった紙が優しい印象。



ゾウムシ(象虫)の名の由来である、長い吻(ふん;口器)が見えるでしょうか。
かわいらしいミニチュアの象の群れ。
ただ惜しむらくは、最近老眼が始まった私の目では、その姿をよく捉えることができません。。。

   ★

「鉱物アソビの博物サロン」は、10月28日(日)まで開催されます。

コメント

_ ミュシカ 笠松 ― 2012年10月10日 19時28分23秒

先日は足を運んでいただきありがとうございました。一ファンとして拝読していましたので、お会いできて嬉しく思います。ご縁をつないでくださった「鉱物アソビ」フジイキョウコさんに感謝です。またお会いできる日を楽しみにしています。(勇気をだして初コメントしてみました。笑)

_ 玉青 ― 2012年10月10日 23時07分57秒

○笠松さま

先日は長々とお邪魔してしまい、申し訳ありませんでした。
とても素敵な時間と空間を味わえて、本当に嬉しかったです。
あらためて、どうもありがとうございました。
フジイさんのトークイベントも大成功だったことでしょうね。
こちらこそ、今後もどうぞよろしくお願いいたします。
イベントの際はまたお声をおかけくださいね。
(標本、末永く大切にさせていただきます!)

_ 日本文化昆虫学研究所 ― 2012年10月11日 02時44分40秒

ご無沙汰しております.ゾウムシの標本ですが,かなり小型の個体も針にさしちゃっていますね.もちろん,それが間違っているということではないのですが,この大きさだと台紙に貼りつけることが多いような気がします.

_ 鉱物アソビ フジイ ― 2012年10月11日 10時52分44秒

先日は突然のご案内にもかかわらず、イベントに駆けつけてくださって、どうもありがとうございました! さらに、こうやって素敵な記事にまとめてくださって、うれしいかぎりです。
なにより、玉青さんと久しぶりにお会いしてお話をさせていただけたことが、楽しくうれしいひとときでありました。

名古屋では初めての鉱物イベントということもあり、
また、ミュシカさんの和やかな雰囲気で、
“鉱物はもとより博物好きの同士が気軽に語らいあえる場”を
作れたらと願っていたので
「皆さんいろいろ言葉を交わし、まさにサロン的」と感じていただけて、ホッとしました。

それでは今後とも引き続き、どうぞよろしくお願いいたします!
心よりの感謝をこめて。
ありがとうございました。

_ 玉青 ― 2012年10月11日 21時04分10秒

○日文昆さま

あの微小で硬い虫体に、あやまたず垂直に針を刺すという、これぞまさに手先が器用選手権みたいな標本ですよね。標本の中にはちゃんと台紙貼りのものもあるので(下半分は台紙貼りです)、この標本作者は、きっと己の技量の限界に挑戦したくて、あえて針刺しに挑戦したのかもしれません。

○フジイキョウコさま

こちらこそお声をかけていただき、本当にうれしかったです!
会場も素敵でしたし、フジイさんや笠松さんとお話しできて、心も頭も柔らかくなった気がします。またいろいろな機会にお会いできたらと思います。
理系アンティーク関連で1つ何か…というお話もいずれ形にできますことを楽しみにしています。引き続きどうぞよろしくお願いします。

_ 冬至 ― 2012年10月16日 15時12分37秒

はじめまして。いつも楽しみにブログを拝見させていただいております。
あまりに素敵な展示のご紹介に、居ても経ってもいられず
ミュシカさんへ行って参りました。
「どこで展示を知ったのですか」という話が出ましたので
素敵なブログを書いている方がいらっしゃって、その方はゾウムシの標本を購入されていましたとお話したところ
「ああ!天文古玩さんですね!」とお話が弾みました。

これからもブログ、楽しみに拝見させていただきます。
突然の初コメント 失礼致しました。

_ 玉青 ― 2012年10月17日 05時30分43秒

冬至さま、はじめまして。
コメントをありがとうございました。

ミュシカさんに行かれたのですね!
私の拙い文章がきっかけになって、あの素敵&不思議な空間に足を運ばれた方がいらっしゃると伺い、とても光栄に思います。

現在、ちょっと記事が途切れていますが、今月の末には再開できる予定です。またどうぞフラリとお立ち寄りいただき、コメント等いただければ嬉しいです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。<(_ _)>

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック